すばる望遠鏡で撮影した、銀河団に暗黒物質分布(ぼんやり明るい部分)を重ねた合成画像(国立天文台提供) 暗黒物質、銀河団に扁平分布 すばる望遠鏡の画像解析国立天文台、台湾中央研究院などの国際研究チームは26日、米ハワイ島のすばる望遠鏡で銀河団を撮影した画像を解析し、正体不明の暗黒物質が銀河団の中で扁平な形で分布している証拠を確認したと発表した。 従来の理論では、約千個の銀河からなる銀河団は太陽の1千兆倍の質量の暗黒物質を伴っているが、一様に広がってはいないとされてきた。今回の観測はこの理論と一致するものだという。 天文台などは、地球から約30億光年離れた25個の銀河団を観測。地球からさらに遠く約80億光年かなたの銀河から放たれた光が、これらの銀河団の近くを通るとき、重力によってどう曲げられるかを調べた。 それらのパターンを分析した結果、うち18個で分布が判明。銀河団中の暗黒物質はおおむね、縦横がほぼ1対2の楕円状に分布していることが判明したという。 国立天文台の大栗真宗研究員は「今後の観測で、さらに詳細な分布を調べたい」としている。 【共同通信】
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