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のり面崩落、広島市の管理責任認定 高裁判決「予測可能」 '10/4/24

 広島市東区の特別養護老人ホーム神田山長生園の裏山で2004年、工事中ののり面が崩落し作業員男性2人が死亡した事故で、遺族らが発注した市と受注した日広建設(中区)に慰謝料など計約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、広島高裁であった。窪田正彦裁判長は市の管理責任を認めなかった広島地裁の一審判決を変更し、市と日広建設に計約7500万円の支払いを命じた。

 窪田裁判長は「市は、壁が崩落する危険性を指摘し、対策を命じる注意義務があった」と認定。「危険を予測することは十分可能だったのに市は対応しなかった」と管理責任を指摘した。

 原告代理人の佐藤崇文弁護士は「市に発注者としての管理責任を認め、高く評価できる」と話している。一方、秋葉忠利市長は「判決内容を十分に検討して対応する」とのコメントを出した。

 04年10月、日広建設の下請け会社で働く2人がのり面の改修工事中、崩落した表面のコンクリート壁の下敷きになり死亡した。(山本乃輔)




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