長谷川穂積がスパーリング公開　３０日にＷＢＣ世界王座Ｖ１１戦

　１１度目の防衛戦に臨む長谷川が２６日、東京都新宿区の帝拳ジムで練習を公開した。課題の減量もリミットまであと１キロ。「今までで最高の仕上がり」とキッパリ言い切った。

　前夜、最終の新幹線で神戸から決戦の地・東京入り。出発前に家族でトランプの「ババ抜き」を楽しんだ。何げない遊びのはずが、長谷川は５回連続でババを引いてしまった。「カンがさえまくってるんですよ。ババを引くつもりはないのに、勝手に引いてしまう。試合前はいつもこうなんです」

　前回の試合前、誕生日プレゼントとして５つ箱が用意され、一発で本物を当てた。残りはダミーだった。試合が近づくにつれ、神経が研ぎ澄まされてくる。いつもなら見えないものが、なぜか見えてくるのだ。

　この日は真正ジム・山下正人会長を相手に２ラウンドのスパーリング。切れ味鋭い動きを見せた。「この時期にこれほど動けたことはない。ＫＯを狙わずに倒せたらいい」。精神的にも肉体的にも死角はなさそうだ。　（森合正範）