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駅弁の老舗「水了軒」破産申請へ 負債総額約3億3000万円
明治21年創業の駅弁製造販売の老舗「水了軒」(大阪市淀川区)が、破産申請の準備に入ったことが20日、わかった。同日付で事業を停止し、近く大阪地裁に破産手続きの開始を申し立てる。民間調査会社の東京商工リサーチによると、負債総額は約3億3千万円とみられる。
水了軒はJR大阪駅や新大阪駅、阪神百貨店梅田本店などで弁当の販売を行っていたが、同日朝、取引先には営業を停止するとの内容の連絡を行ったという。 同社は駅構内の売店を皮切りに、明治23年から駅弁や茶などの販売を開始。シューマイ弁当や八角弁当などの人気商品で親しまれていたが、近年はコンビニエンスストアなど競合増加に加え、駅弁の需要減少などから業績が悪化。ピークの平成3年度には売上高約45億円だったが、21年2月期は約13億円に減少し、業績悪化が続いていた。
JR大阪駅の売店は終日シャッターを下ろしたままで、「長年のご愛顧ありがとうございました」などと書かれた紙が張りだされていた。駅にいた和歌山県橋本市の会社員、松本章さん(48)は「新幹線で、旅行や東京に行くときの定番でした。残念です」と寂しげに話した。大阪府高槻市の福祉施設職員、子浦康有さん(56)は「昔からあるから、当たり前のものでした。びっくりしています」と驚いた様子だった。