昨年2月高知市の中村美智子さん(当時27歳)が殺害された事件で、殺人ほう助罪に問われている高知市一宮しなね、無職、松本俊成被告(28)の初公判が15日、高知地裁(平出喜一裁判長)であった。松本被告は「まさか(坂本考生受刑者が)殺すとは思ってなかった」と、起訴事実を否認した。
起訴状によると、松本被告は昨年2月2日午後8時40分ごろ、高知市内の駐車場から、坂本受刑者(27)=殺人罪などで懲役20年確定=が中村さんを殺害すると知りながら、中村さんに電話を掛け、「(坂本受刑者が)借金を返済するので来てほしい」とうそを言って、同市内のパチンコ店駐車場に呼び出したとされる。
検察側は冒頭陳述で「被害者を殺害することについて、坂本と具体的に話し合った。殺害後、坂本受刑者と死体遺棄について話し合うなど協力した」と指摘した。
一方、弁護側は「中学校以来の友人で親密な関係であり、呼び出したところで本当に殺害されるなどとは思っていなかった」と反論した。【倉沢仁志】
毎日新聞 2010年4月16日 地方版