新日本プロレス STRONG STYLE SYMPHONY
NEW JAPAN SPIRIT 1999

6万観衆しびれる

 倒産、リストラと不景気風が吹く中、プロレスは不況とは無縁だった。4・10東京ドーム大会は、6万3500人の観客で埋まった。新日本としては第2回の東京ドーム興行から15大会連続の6万人突破となった。最高3万円の高額席から売れていったこれまでとは違い、今大会はスタンド席(1万〜5000円)の方に人気が出ていた。当日券(1万5000枚)も午後からの雨にもかかわらずほぼ完売した。

 根強い人気を支えに、10月の東京ドーム大会のプランも浮上した。同一団体による東京ドーム年3回開催は、プロレス史上初の快挙となる。5月2日には、ライバル全日本がジャイアント馬場さん追悼を行い、10月にはPRIDEが東京ドームでの試合の開催を検討中。ドーム大会をテコに、2000年に向け再びプロレス人気が沸騰しそうだ。
(写真=東京ドームには6万3500人の観客で埋まった)


◆新日本プロレス◆ 1972年(昭和47年)3月6日、東京都大田区体育館で、アントニオ猪木が旗揚げした。現在の社長は坂口征二。選手数、興行成績ともに日本NO・1団体


武藤の勝利に感動

 ◆OLの樋口紀子さん(25=埼玉・川口市) ここ一番に力を発揮する武藤の強さ、かっこ良さに感動した。大仁田は弱いし、ファイトがしょっぱかった。

 ◆大学生の高原博好さん(19=東京・練馬区) フライには勝てないと思ったが、プロレスに徹してストロングスタイルで勝った武藤はすごい。大仁田戦は、蝶野が相手のペースに合わせすぎた。両者KOの結果は納得いかない。

 ◆会社員の井口至さん(21=東京・新宿区) 武藤の奇跡の勝利に胸を打たれた。まさかフライからギブアップを取れるとは。大仁田はやられっぱなしで、見ていてつらいなという感じ。大仁田への蝶野の態度はねぎらいだろうがフライとの抱擁は今後が楽しみ。

 ◆プロレス愛好歴30年の村上崇さん(42=千葉・船橋市) 試合的には武藤に軍配。けんかファイトのプロに4の字固め、ドラゴンスクリューのプロレス技で対 抗して勝ったことに武藤の哲学を感じた。大仁田は新日本では違和感がある。


天山、小島仲間割れ

 New Japan Progress 第1試合で天山、小島コンビがまさかの分裂騒動を起こし、nWo軍再編成を予感させた。永田、中西組と対戦中、小島のラリアットが天山に誤爆したあたりからムードが急変。両者はにらみ合いを始め、修復のつかない関係に陥った。

 永田を月面水爆で仕留めた天山は勝敗を度外視して怒り心頭。小島に話が及ぶと「今後? マッチメークで組まれたら仕方なく一緒になるけどな」とぶちまけ、自らは組まない意思を露骨に示した。

 天山は「蝶野はオレと組んだ方がいいかもな」と話し、今後は派閥強化をもくろむ蝶野と合体する急展開も考えられる。蝶野はフライと共闘する構えを見せており、13日開幕の新シリーズで新たな軍団闘争が始まるかもしれない。



高岩は田中に対して厳しく評した


山崎は「もうちょっと魂を見せてほしかった」とやや不満そうな表情を見せた。左は藤田

新日快勝

藤田・山崎インタビュー(要リアルプレイヤー)

 新日本プロレス 対 バトラーツ 新日本―バトラーツの団体対抗戦は、シングル、タッグともに新日本勢が快勝してメジャーの力を思い知らせた。シングル戦では高岩がパワーで田中の関節技を封印。最後は必殺のデスバレー・ボムで決着をつけると「関節技はカシンに比べれば大したことはない。新日本のジュニアに入ってくるには、まだまだだね」と厳しく評した。タッグ戦で勝った山崎は「向こうは磨けば光る石かもしれないが、もうちょっと魂を見せてほしかった。歯がゆい」と貫録を見せた。


新入団・鈴木お披露目

 明大時代に大学ラグビー日本一の経験を持ち、新日本に入団したばかりの鈴木健三(24)が、休憩時間中に大観衆の前でお披露目された。リング上で田中レフェリーに紹介されると、4方向に深々と頭を下げた。1日の入団会見の時に比べると、髪をスポーツ刈りにして一段と精かんな表情に。国立競技場の大観衆には慣れているだけに、東京ドームでもさすがに落ち着いていた。

 
7+1試合 全試合結果大仁田 蝶野と爆裂ドロー武藤防衛!4大IWGP戦
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