フォゲッタブル“闘魂注入”混戦断つ! 天皇賞・春
◆ 3000メートル以上のレースで3戦2勝 ◆
混戦ムードの天皇賞・春は長距離の新エースに任せた!フォゲッタブル(牡4=池江郎)は3000メートル以上のレースで3戦2勝、2着1回。現役屈指のステイヤーだ。“77日ぶり”“案外だった1週前追い切り”など不安もあるが、そこは百戦錬磨の池江郎厩舎。きっちり仕上げてみせる。
◆ 不安振り払う気配漂う ◆
フォゲッタブルの実力、距離適性などを考えれば、この馬が今回の天皇賞・春で有力馬の一角であることは疑いない。しかし、一方で不安点がなくもない。(1)1週前追い切りで併走相手にアオられ、あまり動かなかったこと。(2)ダイヤモンドSから直行のローテーションで春の盾を戴冠した馬がいないこと。
しかし、26日に聞いた市川厩務員の話で、そんな不安は一掃できる。
「先週の追い切りは、レースを思い出させるために前に馬を置いてシゴいてもらったんだ」
その日の動き自体は重く見えたが、このひと追い、いわば“闘魂注入”によって気配はガラリ変わった。
「ピリッとしてきて、追った2日後の金曜日には本馬場に入れたぐらい。先生(池江郎師)の感覚で研ぎ澄ましているところ」
いったん上昇に転じると勢いは増すばかり。日曜のポリトラック追いでは池江郎師が「(調教を見ている人が)みんな鳥肌が立つぐらいの動きを見せた」と言っている。
追って出来が上向くのもその素地があるからだ。ダイヤモンドS後の待機期間に下地を鍛えてきた。
「減っていた体を戻す意味もあって間隔をあけたけど、3月半ばまではプールでじっくり。心肺機能を落とさないよう平均すると8周ぐらいしていたよ」
円形プール8周は400メートルを超える距離で、通常のプール調教(2〜6周)より多め。レースに出ていなくても緩めたわけではないのだ。
「セントライト3着から菊花賞2着とか、ステイヤーズを勝って有馬で掲示板とか、この馬のこれまでのパフォーマンスには、データがあてはまらない面もあるんじゃないかな」
市川厩務員はそう言って力量への信頼をにじませた。傾向やデータには例外が存在する。フォゲッタブルならまさにその例外になり得るというわけだ。大丈夫!フォゲッタブルは力を出し切れる。
[ 2010年4月27日付 ]
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