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<野生チンパンジー>母、子の死骸と生活 ギニアで確認

4月27日1時54分配信 毎日新聞

 西アフリカ・ギニアの野生チンパンジーの母親が死んだ赤ちゃんを生きている時と同様に大切に扱うことを、京都大霊長類研究所の松沢哲郎教授と林美里助教らの研究グループが複数例観察することに成功し、27日付の米科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載される。いずれも赤ちゃんはミイラ化しており、松沢教授は「人間の弔いの起源を解明する手掛かりになるのではないか」と話している。

 松沢教授は92年、ギニアのボッソウ村に設けた研究拠点で2歳半のチンパンジーの赤ちゃんが病死した際、母親が死骸(しがい)を背中に27日間おんぶして生活するのを確認。03年には、同じ群れで赤ちゃん2匹が相次いで死んだ際、それぞれ68日間と19日間、死骸と生活していることを確認した。

 いずれのケースも、母親は死骸の手足を首と肩の間に挟むようにしておぶい、毛づくろいしたり、たかるハエを追い払ったりしていた。死骸は強烈なにおいを放ち、次第にミイラ化。しかし、群れのチンパンジーは嫌なそぶりを見せず、子供たちがミイラで遊ぶこともあった。

 1例目は途中で観察を打ち切ったため、死骸のその後は不明。2、3例目は死骸が木から落ちるなどし、母親が見失ったという。

 ボッソウ以外の群れでは通常、死んだ赤ちゃんは仲間に食べられたり、捨てられたりする。松沢教授は死骸の毛づくろいやミイラ化はボッソウの群れで受け継がれている独特の「文化」で「愛情や弔いの表れ」と推測している。【広瀬登】

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最終更新:4月27日9時41分

毎日新聞

 

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