(cache) 仕分け結果の詳報 第2弾2日目 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 仕分け結果の詳報 第2弾2日目

     行政刷新会議の事業仕分け第2弾2日目の結果詳報は次の通り。

     ▽グループA

     【水産大学校】農林水産省所管で、水産業界を担う人材の育成が目的。仕分け人は、海技士を養成する「専攻科」を中心に他法人への統合を検討し、事業規模を縮減すべきだと判定した。2010年度予算の事業費は28億8900万円。他大学でも海技士資格を取得するための学科があることなどから、必要性や効率性を疑問視する意見が多く出された。

     【航空大学校】大手航空会社や私立大学でも操縦士が養成されていることから、教育訓練業務として今後もパイロット養成をするべきかどうか、また卒業生1人当たり4300万円の国の支出をどう考えるかが焦点に。仕分け人は学生を採用する航空会社の受益者負担を高めることで「国費節減」すると判定した。

     【海上災害防止センター】船舶事故の際、船舶所有者に代わって流出した油の防除やオイルフェンスなど機材の貸し出しを行うほか、船舶乗組員に対する消防実習も実施。国からの運営費交付金はなく、毎年黒字を計上しているが、仕分け人は独立行政法人の形態を維持する必要はないと指摘。判定は「事業規模を維持しながら、実施主体は公益法人など民間で行うべきだ」となった。常勤役員4人のうち3人までが、天下りや官庁の現役出向者で占められていることも問題視された。

     【都市再生機構】市街地再開発、土地区画整理、土地有効利用、防災公園街区整備、居住環境整備の都市再生5事業(10年度予算計1810億円)は規模の「縮減」と判定。コスト削減の努力のほか、リスク管理や事業実施の基準の明確化を速やかに自ら行うこととした。全国で約76万戸(08年度末)を供給、管理する賃貸住宅関連の2事業(10年度予算計4180億円)も「縮減」し、高齢者や低所得者向け住宅の供給は自治体または国に移行、民間並みの家賃を徴収する住宅は民間に移行する方向で整理するとした。

     機構と関連法人側との契約額ベースでほぼ半分(08年度で725億円)に上る随意契約を一般競争入札に改めるほか、関連法人側が抱える剰余金407億円(08年度末時点)を返納するよう要求した。

     【環境再生保全機構】大気汚染によるぜんそくの予防に関する調査、エコカーの普及啓発イベントの開催など公害健康被害予防事業(10年度予算13億円)は「効率的にできる」などとして、事業主体の変更も含め具体的事業内容を「抜本的に見直すべきだ」と判定した。

     【国立美術館、国立文化財機構、国立科学博物館】国立美術館と国立文化財機構が実施する美術品や文化財などの収集事業は、民間からの寄付や自己収入の拡大、コスト縮減努力に取り組むことを前提に、事業を拡充するよう求めた。

     国立科学博物館が所蔵する戦後初の国産旅客機YS―11の保管事業は、事業規模の維持と判定。外部の人が観覧できるような展示や一般公開に向けた活用策の検討、展示費用を捻出するために寄付を集めるべきだなどの意見が出た。

     美術館や博物館の店舗用地の賃借事業は、事業規模の縮減と判定。競争入札の導入によるコスト縮減や、自己収入拡大のための工夫を求める意見が出た。

     ▽グループB

     【理化学研究所】生命科学などの研究事業について引き続き理研で実施すべきだとしたが、ガバナンス(管理体制)には大きな問題があると判定。研究テーマの設定や、ほかの研究機関とのテーマの重複を避ける仕組みなどは抜本的な検討の必要があると指摘した。国レベルの研究実施体制の見直しも必要だとした。

     外部企業への業務委託は「不透明性が高くコスト意識が欠如している」として縮減が必要と判定。大型放射光施設スプリング8の管理は、内部で行う方が低コストではないかとの疑問が出た。

     【物質・材料研究機構】研究内容について、仕分け人は理化学研究所との共通性を指摘した。他法人との統合により人件費を削減し、浮いた額を研究開発の強化に回すことを提案。事業規模は現状のまま、ほかの法人との統合も視野に、独立行政法人や研究開発法人全体の抜本的見直しの中で在り方を検討すべきだと判定した。

     【日本学術振興会】大学の研究者らの自由な発想による研究を助成する競争的資金の科学研究費補助金(科研費)事業(10年度予算1297億円)については、科学技術振興機構などが行う国の戦略的研究費助成との役割の違いを認めつつも、審査などで互いに協力してコスト低減を図るよう求め、管理体制強化が必要と判定。

     約6千人の科研費の審査員を選ぶ学術システム研究センターは、100人余りの非常勤研究員の勤務実態把握や謝金の根拠に透明性が不足していると指摘。事業は引き続き実施するとしたが、管理体制や透明性の強化を条件として挙げた。

     【科学技術振興機構】国の戦略目標に基づいて有望な研究を選び、資金を分配する制度など計約800億円の事業について、機構は新型万能細胞「iPS細胞」を作製した山中伸弥京都大教授も資金を受けていたと成果を強調した。しかし仕分け人は「国の総合科学技術会議がやるべきだ」などと指摘、「総合科学技術会議の在り方を中心に科学技術政策を抜本的に見直し」との結果に。

     研究者情報や文献に関するデータベースについて、仕分け人は他機関との重複を指摘、一元化による効率化を求め事業規模縮減と判定。文献情報の提供事業では、天下り法人との継続的取引に批判が集中し、民間に任せるよう求めた。毎月約1億円の賃料がかかる都内の7事務所は、さらなる統合が必要だとし、事業縮減と判定した。

     【宇宙航空研究開発機構】航空宇宙技術の開発事業については、管理体制の強化と民間資金の一層の活用が必要と指摘された。東京駅前のビルにある広報施設「JAXAi」は、広報効果の説明が仕分け人の納得を得られず「廃止」の判定。

     【新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)】先端技術や環境関連の共通基盤技術を開発する研究開発関連業務は「事業規模の縮減」と判定。仕分け人からは、特定の法人との継続的な取引や、応募が1社のみの「1社入札」などが透明性を欠くとの批判が出た。経産省OBが理事長と副理事長に就いていることにも疑問の声が出た。

      【共同通信】