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交流団体「差別やめて」 高校無償化 朝鮮学校を除外

2010年4月5日

 年度末ぎりぎりの3月31日に法律が成立し、新年度に合わせてスタートした「高校無償化」制度。論議になった朝鮮学校は結局除外され、「日本の高校に類する教育をしているか」を検証した上で、除外措置を解除するかどうか夏までに判断することになった。「地域の学校」として朝鮮学校と交流を続けてきた人たちは、解決を願って声を上げている。

    ◇

 東京都北区にあるJR十条駅周辺の住民らが参加する「十条国際交流フォーラム」。

 地元には、東京朝鮮中高級学校がある。同団体事務長で、地元商店会の副会長でもある電器店経営の荒井哲夫さんは3月10日、国会の文部科学委員会の委員にファクスで「無償化の対象から朝鮮学校を外さないで」という要望書を送った。

 「昔と違って今は地域との接点が多く、生徒たちも町を掃除するなどしてとけ込んでいる」「国家がどうのというのは別として、あそこの子どもたちには罪がない。今回みたいな差別はやめてほしい」

 昨年6月には同校の文化祭に合わせ、学校の講堂を借りて「国際音楽祭」を開いた。花川与惣太・北区長も参加してあいさつし、地域の人や生徒が民族楽器の演奏や合唱を披露した。商店街の飲食店が売店を出すなどして盛り上がったといい、今年も続けて開催する方向で検討中だ。

 横浜市のNPO法人「地球の木」は3月11日、多文化共生などを目指す198の市民団体と共に、無償化除外に反対する共同署名に参加した。

 「拉致問題と無関係の在日3世、4世の子どもたちの学習権を『人質』にするのは、政府による差別、いじめ」として、対象から除外しないよう、鳩山首相らに求めた。

 「地球の木」はこれまで、ネパールやカンボジアなどを支援するとともに、事務局長の筒井由紀子さんらが、日本人と朝鮮学校の子どもが交流するワークショップに参加してきた。

 筒井さんは「子どもたちは、将来の朝鮮半島と日本との友好に大きな可能性を持っている。地域で共に暮らし、両国の懸け橋になれるのに、今回のことはそれを壊しかねない」と訴える。(上野創)

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