哨戒艦沈没:魚雷破片の発見がカギ
北朝鮮以外の国による魚雷攻撃は想像できないためだ。また、「天安」の破損状況からみて、弾頭重量が軽い軽魚雷ではなく、重魚雷が使われた可能性が高いとみられている。韓国軍によれば、北朝鮮が保有している重魚雷は、魚-3G型、53-59型、53-56型、ET80-A型の4種類あるという。
消息筋は、北朝鮮の魚雷攻撃が原因との結論が出た場合は、中国製の魚-3G型魚雷が使われた可能性があると指摘した。同型魚雷は1980年代に中国で開発されたもので、船のスクリュー音、航跡を追跡して攻撃する「受動(パッシブ)音響魚雷」に分類される。北朝鮮がこの魚雷を使用したとすれば、艦船から出る磁場を感知して爆発する「近接信管」が搭載されていた可能性が高い。ガスタービン室下部の船体は最も磁場が強く、その付近で船外爆発が起きたとみられるからだ。一部では新型の中国製の対艦魚雷の魚-6型が使用された可能性も指摘されている。
しかし、音響魚雷を目標に正確に命中させるためには、魚雷を発射した潜水艦による一定の誘導が必要となるため、北朝鮮のサンオ級潜水艦などの性能からみて、可能性が低いとの指摘も少なくない。そうなると、発射後に直進する「直走魚雷」の可能性が高まる。一定の水深で爆発するように設定した直走魚雷に磁気感応センサーを搭載して発射したとの見方だ。53-59型、53-56型魚雷は、旧ソ連で開発され、中国や北朝鮮に輸出されたもので、直走魚雷に該当する。
調査団による次の課題は、状況からみてほぼ確実視される魚雷の物証、つまり破片を発見することだ。これまで軍は沈没現場から約330点の破片を採集し、確認作業を進めているが、「天安」の破片がほとんどで、魚雷や機雷の破片はまだ発見されていないという。
軍当局は24日、「天安」の船体引き揚げ作業が終了したことを受け、25日からは破片採集を最優先に掲げ、海軍准将の指揮下で作戦を展開している。海軍は沈没現場の海底を器具で掘り起こすけた網漁船を投入し、破片の採集を進めることにした。けた網漁船は長さ40センチの鉤(かぎ)50個を5センチ間隔で取り付けたけた網を利用し、海底に埋まっている破片を掘り起こす。泥であれば30センチ、砂であれば10-20センチ下に埋まっている破片も採集できる。海軍は底引き網漁船も捜索作業に投入する。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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