哨戒艦沈没:切断面を観察した専門家の意見(下)

「直接打撃を受けたものではない」

左右非対称もバブルジェットが原因

 天安の沈没事故について調査を行っている米軍合同調査団は25日、「(天安の)左舷は3.2メートル、右舷は9.9メートルが流失している。船尾の左舷船底に大きな衝撃が加えられたことによって、右側が大きく破損した」という今月16日の発表内容を改めて確認した。

 衝撃は左側下部から伝わっているが、破損は右側上部の方が激しい。これは一見すると矛盾しているようだが、ソウル大学のチャン教授は、「消しゴムを曲げるときのことを考えれば良い」と語る。細長い正六面体の消しゴムの両端を固定させたまま、中間部分の下側の角に力を加えると、反対側上部の角から先に裂け、最終的には真っ二つに割れてしまうのと同じ現象だというわけだ。

 チャン教授は「天安の場合もこれと同じで、水中爆発により発生した衝撃波とガスバブルが左舷下部を強打し、反対側角の右舷上部が大きく破損した」と説明する。

水柱はすべて異なる

 共同調査団の尹徳竜(ユン・ドクヨン)団長は25日、「バブルジェット研究者の意見によると、バブルジェットはさまざまな形で現れる。水柱型で左に流れることもあれば、横に流れることもある。発生した深度によって様相が異なる」と語る。

 つまりバブルジェット現象が発生したとしても、水柱が水面上に現れない可能性もあるということだ。尹団長は「船体から近い場所で爆発した場合には、水柱が小さく横に広がるという形で現れることもある。一般的に水中爆発が発生すれば、爆発時に衝撃波が現れて1-2秒後にバブルジェットが生じるが、爆発地点が船底に近いほど、1次爆発の効果が大きくなり、2次のバブル膨張効果は比較的小さくなる。反対に、(爆発地点が船底から遠ければ)バブル効果は大きくなり爆発初期の衝撃効果は小さくなる」と述べた。これは、バブルの大きさが水深に比例するからだ。バブルは爆発地点から艦艇が浮かぶ水面近くに到達するまで膨張を続けるため、爆発した水深が浅ければ、バブルは小さくなり衝撃も弱くなる。

 パク・ジョンイ共同団長も、「水柱は爆発の程度と発生した水深によって異なる。調査団は現在、水中で発生した爆発の類型、水中衝撃に伴う船体構造の変化についてシミュレーションを行っている」と述べた。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

キム・サンミン記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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