哨戒艦沈没:切断面を観察した専門家の意見(上)
「直接打撃を受けたものではない」
哨戒艦「天安」の船首が24日に海面に引き揚げられ、この切断面を監察した専門家らは、「典型的なバブルジェット効果だ」という点で意見が一致している。切断面の形は、魚雷や機雷が船を直接攻撃して形成されたものではなく、艦艇に接触しない状態での爆発により形成されたものだという。
■バブルジェットが「砂時計型」の切断面を形成
今月15日に引き揚げられた船尾と、今回引き揚げられた船首を分析してみると、切断面上部(甲板)と下部(船底)は非常に損傷が激しいのに対し、中間部分は比較的原型を維持し、砂時計のような形になっていた。専門家はこの点に注目すべきだと指摘する。
ソウル大学造船海洋工学科のチャン・チャンドゥ教授は、「天安を横から見ると、砂時計のような形で破損していることが分かる。これはガスバブルにより船体が上下に裂け、上部の甲板部分と下部船底部分の鉄板がそれに耐えられなくなり、そこへウォータージェットが強い衝撃を与えて、この部位を破壊したことを示している」と説明した。
魚雷や機雷が水中で爆発すれば、強力な衝撃波と同時に高圧のガスバブルが発生する。まずは水の衝撃波により艦艇が損傷し、これとほぼ同時に巨大なバブルが船底で膨張→収縮→再膨張→崩壊のプロセスを経て、艦艇の中心部を浮かせて再び沈ませる。この際、艦艇上部(甲板)と下部(船底)の鉄板に亀裂が生じて船体が激しく損傷する。
最後の瞬間にバブルが破裂すると、周辺の水を急速に吸い上げると同時に、この水は急激に上昇する。このとき船が上下に揺れ、強度を失った天安の鉄板や甲板上部の煙突が破壊された可能性が高い。
また、天安が魚雷や機雷の直接攻撃を受けたのなら、切断面は今のような形にはならないというのが、専門家の一致した見方だ。さらに直接命中した場合、破片が残っているはずだが未だ発見されておらず、煤煙や船体が溶けた痕跡も確認されなかった。
船底に巨大な衝撃が加えられたという事実からも、船を直接狙った直走魚雷の可能性は低い。水中爆発分野に詳しい国策研究所のある研究員は、「魚雷を船底に直接命中させるには、下から上に上がってこなければならないが、わたしの知る限りでは、そのような魚雷は存在しない」と述べた。
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