ホーム > 芸能・社会 > 芸能・社会最新紙面記事

松野明美さんが当選!熊本市議選挙

 当選の報を聞き、反射的に万歳をした松野明美さん=熊本市植木町
 当選の報を聞き、反射的に万歳をした松野明美さん=熊本市植木町

 5人が立候補した熊本市と旧熊本県植木町の合併に伴う同市議増員選挙(定数2)が25日、投開票され、元マラソンランナーでタレントの松野明美氏(41)が初当選した。同町出身で、重い心臓病とダウン症を抱える次男を持つ松野さんは、「健常者も障害者も一緒に育つような社会にしたい」と出馬を決意。抜群の知名度に加え、選挙戦終盤には今でも1日15キロのジョギングをこなす自らの足で選挙区を走り回る草の根運動を展開し、当選につなげた。

  ◇  ◇

 まるでゴールテープを切る瞬間のようだった。ピンクのスーツに身を包み、選挙事務所に現れた松野さんを待っていたのは、当選の報。「え?ほんとに?うわぁ、やったー」と、目頭を押さえて、すぐに万歳。激しい選挙戦もなんのその。いつものハイトーンボイスでまくしたてた。

 緊張が解けると、さらに松野節が全開となった。「勝つことは想定してなかったけど、2位が悔しい。当選するならトップが良かった」と話すと、所属会派についての質問には「会派って何です?」と、ポツリ。目指す政治家像を聞かれると「嫌われる議員になりたい。みんな嫌われたくなくて、まともなことをいうけど、私は嫌われてナンボ」と、持論を展開した。

 18年越しの『当選』だ。92年バルセロナ五輪の代表選考では大阪国際で当時の日本歴代2位の記録をマークしながら、有森裕子との選考レースに敗れ、落選。「選挙中に(当時の会見で話題となった)『私を選んで下さい』というフレーズを使おうかとも思ったんですけど。嫌、ダメだと思って(笑)」。今度は最高の笑顔と、うれし涙で悪夢を払しょくした。

 ダウン症を抱える次男と、地元を元気にするために、41歳にして立った新たなスタートライン。「私らしくやれたらいいなと思います」。ゴールがはっきりとは見えない政治の世界。それでも2児の母には、しっかりと走り抜く覚悟がある。






Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp