岩瀬(左)から初勝利となったウイニングボールを受け取る山内(撮影・佐々木彰尚)
「阪神5‐8中日」(25日、甲子園)
サクラ咲く‐。右腕の痛みを忘れていた。握手&ハイタッチ。待ちこがれたプロ初勝利。3年目右腕の中日・山内が、6回0/3を4安打2失点。連敗を喫し、遠征途中に大量4人を入れ替える荒療治に出た落合監督の“出直し戦”を、103球の力投で彩った。
猛虎打線を牛耳ったのはシュート。昨年の球宴明け、岩瀬に言われた言葉がきっかけだった。「もうひとつ球種を増やした方がいいぞ」。半年かけて新球を習得し、今までの武器だったスライダーと組み合わせ、横の揺さぶりで打者の踏み込みを甘くさせた。
「この1勝で、ようやくドラゴンズの一員になれた気がします。連敗中のプレッシャーはあったけど、思い切って投げました」。シュートを多投するあまり、右腕がつって降板したのはご愛嬌(あいきょう)。新星が見えないカベを破り、大きな一歩を踏み出した。
(2010年4月25日)