2件目、こんどは市街地にある「ニュー福屋」へ。
中華料理店なのかな? と勝手に思っていたのだが、入店すると、違った。 壁に、「こんなにいっぱい、種類が作れるの!?」っていうくらいの、豊富なメニューの写真群が…。
「何を頼もうか」 「まずはタンタンメンと……」 「あとは…どうしたらいいんだろ。そもそも、何でこのお店を、選んだの?」 「へ? 地元の人の書き込みで、『福屋のチャーハンとタンタンメンがうまい』って書いてあったから」 「じゃあチャーハンかな」 「チャーハンだね」 「スパゲティも捨てがたいけど」 「スパゲティは冒険じゃない? そもそも何のスパゲティかも書いてないし」 「やっぱナポリタンじゃ?」 「んー」 「興味はあるけど…」
結局、タンタンメンとチャーハンを頼んだ。
「……あ、前の店と比べると、全然辛くないね」 「油っぽさもほとんどない」 「魚介系のダシの醤油ラーメンに、ちょっとトッピングしたような味だね」 「ガツンとはこないね。食べやすいけど、ものすごくインパクトあるわけじゃないね」 「日常っぽい味かな」 「これはこれで、好きだけどな」
「……うまい」 「うまいわ」 「うまいね」 「なんだこれ、何が美味しいんだ?」 「具とか、かなりジャンクそうなのに…」 「日常の延長線上のうまさだね」 「でも、家では作れない味だね」 「ここってさ、ウチの近所にあったら、通って、どのメニューが美味しいのか、ひとつひとつチェックする感じの定食屋さんだね」 「そうかも」
ニュー福屋、タンタンメンのインパクトは強くなかったが、店としては魅力的であった。 スパゲティ、結局何のスパゲティだったんだろう?