姿・心・車のすべてを「YAZAWA仕様」で極めたタクシーが、京都市内を爆走(?)し話題を呼んでいる。

白のスーツでビシッと決めたリーゼントスタイルの男が、白のクライスラー300Cで疾走する。車内には矢沢永吉のDVDが大音量で流れ、バンパーやボディー各所に「E・ YAZAWA」のロゴが張られる。
よーく見ると、後部ドアに「初乗り660円」の表示が張られ、車内には料金メーターがある。実は立派な個人タクシーで、その名を「EIKICHI taxi」という。
ドライバーの大鐘孝夫さん(64)はドライバー歴35年の大ベテランだ。そしてライブには必ず駆けつけるほどの矢沢ファン歴32年と、筋金入りだ。
普段は京都駅八条口の大型タクシーの乗り場に待機している。車が車だけに乗客からは「いくらですか?」と聞かれたりすることも多いが、料金は初乗り660円と通常と変わらない。キム兄こと木村祐一や松竹新喜劇・藤山直美なども常連客で、いつも本名ではなく「永ちゃん」と呼ばれる京都のタクシー業界では有名人だ。
約8年前、営業開始当初は「永吉 taxi」と漢字で表記していたが、不本意にも「ながよしタクシー」と呼ばれることが相次ぎ、横文字に改名した。車もトヨタ・クラウンマジェスタからアメ車のクライスラーにグレードアップした。
矢沢ファンはもちろんファンでない方も大歓迎の「EIKICHI taxi」。モットーは安全・快適で、永ちゃんの歌声とともに京都の車窓を眺めるのに最高のタクシーだ。