哀れ　漂流したままの鳩山邦夫親子

「たちあがれ日本」に入れてもらえず、「舛添新党」からも声が掛からなかった鳩山邦夫（６１）。本人は「平沼さんと舛添さんがひとつになる橋渡しをしたい」などと、この期に及んで龍馬を気取っていたが、哀れ、いまや完全に“政界の孤児”だ。

「もともと、舛添要一を担いで新党をつくりたいと公言していた邦夫は、当然、自分にも誘いがあると思っていたようです。なにしろ、舛添は片っ端から声を掛けるほど、人集めに苦労していた。結局、地味でパッとしない『改革クラブ』にいったん入党し、党名を変更する格好で新党を立ち上げざるを得なかった。しかし、それでも声が掛からなかったのだから、いかに邦夫が嫌われているかの裏返しです」（政界関係者）

　邦夫が誤算だったのは、舛添がカネを必要としなかったことだ。新党結成には「最低でも１０億円」は必要。新党の動きが活発化するたびに邦夫の名前が取り沙汰されるのも、カネだけは持っているからだ。

　実際、舛添新党のスポンサーになるとみられていた。

　ところが、舛添が既成政党の「改革クラブ」を乗っ取ったことで必要な結党資金はゼロ。７月には政党助成金も出る。邦夫に頭を下げる必要はなくなったというわけだ。真っ青なのが、邦夫・太郎の親子である。

「邦夫が自民党を離党してまで新党結成に血道を上げているのは、すべて長男・太郎（３５）を７月の参院選に出馬させるためです。本当は自民党の公認候補として参院比例区から出馬させたかったが、公認されそうもない。そこで新党をつくって、そこから比例区で出馬させようとしているのです。邦夫親子は、出馬すれば全国で３０万票は取れると自信を持っている。ところが『たちあがれ日本』から排除され、『舛添新党』からも嫌われ、完全に行き先がなくなってしまった。すでに都内各所には太郎のポスターも張っているのですが、このままでは断念せざるを得ないでしょうね」（事情通）

“漂流親子”はどこに漂着できるのか。

（日刊ゲンダイ2010年4月23日掲載）