道を歩きながらぶつぶつ独り言を言えば周りから変な顔をされる。なのに、パソコンや携帯メールを使ってつぶやくツイッターが大人気だ。民主党の鳩山由紀夫首相も、自民党の谷垣禎一総裁もツイッターを始めた▲女優の蒼井そらさんが自分のブログに「ツイッターにはまってます」と書いた。それを台湾のファンが中国語圏に広めたらしい。そらさんは以前アダルトビデオに出たので「蒼井空」の名で知られている▲女優でも、つぶやきは普通の若い女性と変わらない。「ツイッター超楽しス」「今日はどうしているのか、何をしているのか丸分かり! ある意味マズい」。自動翻訳機能で中国語や韓国語でも読める▲ツイッターを見ている人をフォロワーという。フォロワーの数が1時間に3000人のペースで増え出した。「海外票(返信見るからに特に中国圏)が多いみたいです。日本人に知られる前に中国人に見つかっちゃったってか」。そらさんは芸能人の部で一躍、「有名人アカウント」に公認された▲実は、中国の国内からツイッターを見ることはできない。中国政府がインターネット上に壁を張り巡らせて妨害しているからだ。一時、「壁を破る裏わざ教えてください」「壁を倒せ!」などという書き込みが中国のネット上で飛び交ったという。反体制民主活動家がお得意の裏わざを流した▲国禁をおかしてまでそらさんのつぶやきを追いかける中国人が参入して、フォロワーは現在6万人台に達した。グーグル検索の検閲で国際的な批判を浴びた中国政府はそろそろ知るべきだ。ネットと人の口に壁は立てられないということを。
毎日新聞 2010年4月26日 0時03分
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