渡部恒三が普天間問題でまた余計な発言

　老醜政治家がまた無責任発言だ。

　２１日、民主党の渡部恒三元衆院副議長（７７）が名古屋で講演し、米軍普天間飛行場の移設問題についてこう語った。

「どうしても（県外に）候補地がない場合は、沖縄のみなさんに『生活向上のための特例法をつくりますから』とお詫びして、お許しをいただくことはあり得る」

　要するに県外移設の断念もやむを得ないというのだ。奇しくもこの日、鳩山首相は党首討論で自民党の谷垣総裁を相手に「県外に移設先を求めていくという気持ちは変わっていない」「すべての政策実現に向け、職を賭して頑張る」と決意を述べた。県外移設で頑張ると言う首相に、身内の渡部が「沖縄県民に頭を下げて勘弁してもらえ」と横やりを入れた格好だ。

　このジイサンはこれまで鳩山政権の足を引っ張り続けてきた。ことに小沢幹事長への“口撃”は目に余る。元秘書らが逮捕されたときは「（小沢の）議員辞職もある」と言って、前原国交相ら“反小沢７奉行”を勢いづかせた。今月初めには「５月までに普天間問題が解決しなければ鳩山首相は退陣だ」と首相を追い詰めるなど、言いたい放題だ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。

「渡部氏の中にあるのは『小沢憎し』の一念と、党内の自分の立ち位置を守ろうという願望です。ポジションを失わないよう過激な発言をしているだけ。負のスパイラルでもがき、本人もそれを自覚しているから、焦ってあんな発言をしているのでしょう」

　余計な発言のたびに党内がギクシャクしてきたが、看過できないのは国民への悪影響だ。

「渡部氏の発言をワイドショーが面白おかしく伝えれば、国民は民主党内部がバラバラだと錯覚してしまいます」（鈴木哲夫氏＝前出）

　まさに世迷い言を繰り返す悪しき老害。誰か、このジイサンの口をふさいでくれ！

（日刊ゲンダイ2010年4月22日掲載）