中国地方整備局は21日、呉市阿賀港で整備を進めるマリノ大橋(仮称)で、橋げた溶接部の傷を調べる業者の超音波検査が不適切だった、と発表した。自動超音波探傷装置で傷が疑われた部分のうち、43カ所で再調査のデータが保存されていなかった。さらに約150区間で書類の不備、別の2区間でデータの代用もあった。
不適切な検査があったのは、三菱重工鉄構エンジニアリング(広島市中区)が工事を担当する橋げたの溶接部。同社が昨年、関西エックス線(西区)に2千区間の検査を委託していた。整備局は安全性を確認するため再検査を指示した。匿名のメールで発覚した。
整備局によると、関西エックス線は、自動超音波探傷装置で傷が疑われた部分のうち43カ所について、手動での再調査データの保存をしていなかった。問題発覚後に別の業者が点検。5〜7ミリのすき間が二つ見つかった。
さらに、約150区間で有資格者が傷の有無を判定したことを証明する書類がなく、別の2区間では検査データの一部に他のデータをコピーしていた。
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