政治 - 2010年4月23日
NSW、児童ポルノ取締法に強力な改定
「芸術作品」も取り締まり対象に
4月22日、NSW州議会で「児童ポルノ取締法」改定案が成立し、「芸術作品」を根拠とする弁護論を難しくした。ジョン・ハツィスターゴス州司法長官は、「これで検察の仕事がしやすくなった」と歓迎している。
これまで、作品が同法で取り締まりの対象になった場合には、「芸術作品」であることを根拠に取り締まり除外の弁護で争っていたが、改定法では、未成年の裸体を表現した作品については、作者が連邦の審査機関に料金を支払って区分審査を受けることで取り締まりを避けなければならない。
ハツィスターゴス氏は、改定法で、当局も芸術と児童ポルノを明確に区別し、被害者を守り、児童ポルノと認定された映像を警察が取り締まりやすくなると評価し、「法廷で、映像が児童虐待だと判断すれば、芸術作品という言葉を児童ポルノ作品の弁護に用いることができない」と語っている。
2008年、児童を性虐待から守ることを目的とする市民団体や保守派評論家の通報で、NSW州警察捜査員がシドニー市内パディントンの画廊を急襲、展示会間近になっていた写真家ビル・ヘンソン氏の作品を押収した。同氏の写真作品には12歳と13歳の少女の裸体が写っていたためとされている。しかし、その後公立のメディア区分判定機関が、「作品は児童ポルノにあてはまらない」と判断を発表、そのため、州警察の捜査は停止、起訴に至らず、作品も返還された。
今度、ヘンソン氏の作品展覧会があっても、同氏の作品はすでに連邦機関の区分審査が済んでいるため、同じ問題は起きない。一方、新制度では、作品1点につき$500を払って審査を受けなければならず、芸術家はすでに、「この制度は金と時間がかかり要りすぎだ」と苦情を訴えている。(AAP)
文末に(AAP)とある記事は、AAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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