(cache) The Epic of Zektbach / ニョアの手記

The Epic of Zektbach

チャコルの手記

冒険者諸君、ごきげんよう。ニョアである。

ニョアの手記もはや83回。
83は素数であり、連続した素数の和で表せる数でもある。

そして、私の手持ちガゼルも素数であり素数の中で唯一の偶数である!!
……由々しき事態だにゃ

オスティヌスを探しにイゼルニア山脈へ向かった私であるが
旅は予想以上に厳しいものになりそうだ。

イゼルニアに入るにはラタキア砂漠側から行くか
ローラリア高原からオーコアナ高地に入りいくつかの山を越すしかない。
どちらも非常に厳しい旅である。
この地理の悪さからクエイド鉱山内部からイゼルニアの入口まで坑道を作ろうと
アゼルガット、ノイグラード両国が過去何度も挑戦したがいずれも失敗に終わっている。
クエイド鉱山の男達の話によるとある程度掘り進むと非常に固い壁にぶつかり、
そこを迂回して掘り進めても必ずその壁が現れるそうである。
まるでイゼルニア山脈一体が壁のようなものに囲まれてるみたいである。
イゼルニア山脈には霧隠れの里の伝説もあるので、やはり神秘的な場所と見ていいだろう。

私はしばらく考え砂漠側からのルートを取る事にした。
砂漠を越すのは大変だが、今は砂塵嵐が比較的少ない季節である。
オ―コアナから道なき山を越すよりも距離的にも近そうだ。
大事な肉球が火傷しないように、私は長靴を履きラタキア砂漠に入った。
長靴を履いた猫である。

さて、一人旅は何かと淋しいものであるので君達の便りを読むことにしよう。

こんにちは。
弾いてみました。剣舞を。
弾きましたとも。テンポこれ、めっちゃ遅くしました。
とてもじゃないですけど、中学生ではあのテンポでこれとか
本当に大いなる試練をありがとうございました。
これ弾ければきっとリストとお友達になれるんだと信じてがんばります。
Apocalypseは弾けました。そしてBlind Justiceも...
Zektbach殿と同じ、コナミのコンポーザーになるべく音楽がんばります。
応援の言葉を下さい。
(騎士kisi)

中学生で剣舞にチャレンジし、Apocalypseを弾くとはなかなかやるにゃ!
頑張って素晴らしい吟遊詩人になってくれたまえ。
その際には自分の表現する世界を大切にして欲しいにゃ。
私はZektbach共々応援し、君が来るのを待っているぞ。

ニョアさんに質問があります。
シャムシール様の着ているお洋服は、民族衣装とかなのですか?それとも、私服なのでしょうか?
あとマタン様の胸のところにトリスアギオンが納められているとしたら
毎日同じ洋服を着ているのでしょうか?
それから、星の民たちの格好も民族で揃っていますが、あれも民族衣装なのでしょうか?
マルクトだけがケープのようなものを纏っていたのは、輪廻する地位にいたからなのでしょうか?
洋服に関しての質問、よろしくお願いします。
(召喚士LiLiCaより)

シャムシールの衣装は伝統的なナセム族の踊り子衣装をあれんじしたものだにゃ。
ああ見えて一応戦闘服である。
敵の攻撃を殆ど受ける事の無いシャムシールはあの様な身軽な衣装が戦闘に適しているそうだ。
ちなみに普段はもっと女性らしい格好をするみたいだにゃ。
マタンの胸の宝玉は着脱できるので、毎日同じ服を来ているわけではないらしい。
マルクトだけがケープのようなものをしているのは、君の察する通り流転する者だからである。

ニョア殿、こんにちは。

私は長い就職活動というものを終えて、この春から新しい土地、つまり新天地で働いているのです。
しかし、さすがは新天地。
毎日緊張し、ドキドキしっぱなしで夜は中々眠れません。非常に眠たいです。寝不足です。
そこでニョア殿に教えてもらいたいのです。
緊張せず、夜ゆっくり眠れる方法を是非!教えていただきたい!
(元老院スニンより)

新天地おめでとうにゃ。
これから様々な事があると思うが、是非頑張って欲しい。
私は応援しているにゃ!
緊張せず眠れる方法だが、私はいつも寝袋の横に蓋を少しばかり空けたカルカンを置いている。
こうする事により、カルカンを減らさずして夢の中でいつでもお腹いっぱいにカルカンを食べられるからである。ラベンダー味なのであろまてらぴーの効果もあるにゃ。
もう1つ、ノヴァリーズ平原にはシープカウントサークルという施設がある。
これは不眠症の治療の為にとある医者が実験的に作ったもので、どういうものかと言うと
どーなっつ状の牧場の中心にベットが置いてあり、羊達がベッドの周りを常に時計回りに周回している。
そこで寝ると常にいずれかの羊が通過する姿を見られるという具合である。
つまり、その羊を数える事により誰もがそのうち寝れるようになる便利な施設にゃ。
もしどうしても眠れないのであれば、私が利用できるように紹介状を書いてあげよう。


Zektbach様、はじめまして。
最近、とある事情により人間界の数学と言うものを勉強する事になりました。
途中クールダウンしようと思い、何となく素数の勉強をしていたところ、
素数の魅力と神秘性に取り憑かれてしまいました。
素数ともっとお友達になりたいと考えているのですが素数を深く理解し、
お友達になる為にはどうしたら良いでしょうか…?
あ、ニョアさんには猫用ふりかけ「至高のかつお節」をゲットしたので、今度差し入れに行きますね。
(精霊アルトリアより)

君と同じ様に素数に憑かれた人は歴史上非常に多い。
それほど素数の世界は魅力的である。
その中でも膨大な数の中で素数がどの位置にいるか、
つまり素数分布図を完璧に完成させる事は数学者の夢でもある。
素数分布のパターンは世のあらゆるものの最少単位である素粒子の動きのパターンに似ているともいわれ
宇宙の謎を解く最先端の物理学である量子力学の鍵ともなっている。
素数に纏わる全ての謎が解け、素数を完全に理解したのなら
きっと世の中の見え方が一変するであろう。

幸いにも君達の世界には数の世界の魅力を知る上で非常に良い書籍が数多くある。
私は入門用としてこの二冊をお薦めする。

『フェルマーの最終定理』
『素数の音楽』

数学が苦手でも、数学のびじゅある的な世界・景色はどういうものなのか理解できると思うにゃ。
数学は計算ではなく調和と混沌、2つのせめぎ合いの中に見える世界を知る学問と思うにゃ。
これを機会に興味が湧いた冒険者諸君は是非手にとってみてくれたまえ。

では、今回はこの辺でさらばにゃ!



――――――――――――ニョアの手記 83 ――――――――――――

(2010.04.14)


The Epic of Zektbach -FRAGMENTS OF ARIA TE'LARIA-

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