肩凝りのひどいあなた! その肩凝り、心筋梗塞の予兆かも
【肩や背中、胃の痛みや違和感などは心疾患の予兆】
1月から3月にかけては、心筋梗塞を起こして救急車で病院に運ばれてくる患者が増える。印象としては、夏に比べて1.5倍程度になるだろうか。心臓の病気自体は冬と夏とで発症率は変わらないが、寒い冬の方が血の巡りが悪くなるので、症状が強く出てくる。
日本人の死亡率の第2位は、心筋梗塞を中心とした心臓疾患によるもの。ところが、心臓疾患についての世間の関心はまだまだ低いのが現状のようだ。2006年7月にインターネットを通じて20歳から70歳の男女1200人を対象に調査したところ、心臓病が日本人の死因の第2位と知っていたのは47.8%。心臓の圧迫感や動悸などを感じた際に医療機関に行かなかった、とする回答も73.3%と高かった。
心臓疾患というと高齢者特有の病気だと考えられがちだ。だが、30~40代と若年齢での心臓疾患の発症も増えており、亡くなる人も少なくない。
もちろん、加齢は心臓病のリスク因子の1つだ。だが、若くても男性は、女性よりも心臓病のリスクが高いうえ、飲酒や揚げ物、塩分を摂取する機会が多いと、高血圧や高脂血症といった心臓病につながる病気を発症しやすい。さらに、働き盛りの時期には、体調が悪くてもつい仕事を優先してしまうため、心臓病の発作への危険が高まっていく。
【へそから上の痛みはリスク】
20歳の時から比較して、10kg以上体重が増えている場合には、ほぼ間違いなく内臓脂肪が蓄積している。そうなると動脈硬化も進み、心臓病への道を歩んでいると考えていい。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準として注目を集める「へその位置の胴囲が85cm以上(男性の場合。女性は90cm以上)」というのも、内臓脂肪の蓄積の目安となる。
忘年会・新年会などで体重が増えてしまったら、運動や食事制限で減量の努力をしてほしい。メタボリックシンドロームの対象となる人は、現在の体重から6%程度落とすだけでも、内臓脂肪を減らすためには十分な効果がある。心臓疾患の症状は、気がつきにくいのも特徴だ。
心筋梗塞を起こしていながら、1週間来院しなかったケースもある。すぐに処置しておけば問題ない症状でも、1週間も経つと心臓の筋肉が傷んでしまい、後々のトラブルにつながることもある。
心臓疾患の症状は、必ずしも胸痛ばかりではない。肩や背中、胃の痛みや違和感なども、狭心症や心筋梗塞の症状の可能性がある。「胃が悪い」と消化器の専門医を訪れ、診断がつかなかった例も実際にある。
循環器専門の病院で検査を受ければ、問題があるかどうかははっきりと分かる。へそよりも高い位置で違和感を覚えた場合には、心臓疾患を疑って専門の病院へ行きましょう。
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