【すこやか生活術】
コンタクトレンズ 洗浄や消毒 やり方間違えてないか
【健康】
2010年03月01日 掲載
眼病、トラブル避ける必須知識
●やらなくてはいけないこと、やってはいけないことあり
洗浄・すすぎ・消毒・保存をひとつの商品で行えるソフトコンタクトレンズ用消毒液は、多くが消毒効果が不十分――。
昨年末、国民生活センターが日本コンタクトレンズ学会との共同研究で、こんな結果を発表した。コンタクト使用者の7割はソフトレンズともいわれるだけに衝撃的だ。
ソフトコンタクト用消毒液の8商品をテストしたところ、過酸化水素やヨードタイプの消毒液と同等の効果があったのは2商品だけ。他の6商品は角膜に炎症を起こし、失明の恐れのあるアカントアメーバを除菌する力が不十分だったというのだ。
その後、眼科医や眼科医のブログなどに「どの消毒液がいいのか」「今使っている消毒液を替えた方がいいのか」「問題なかった消毒液を教えて欲しい」といった問い合わせが殺到しているという。
そこで、日本コンタクトレンズ学会会員で「清澤眼科医院」院長の清澤源弘氏に対応策を聞いた。
「まず、このテスト結果の意味は、“強い消毒液に替えなさい”と言っているわけでなく、“正しい使い方をしてください”という意味だということを理解してください」
そもそもコンタクトレンズ用の消毒は手足の傷の消毒に使うオキシフルの成分である過酸化水素がベスト。しかし、人気のマルチパーパスソリューション(MPS=多目的消毒液)なら、“中和”しなくてもコンタクトレンズをそのまま装着できるなど使いやすい。
「そこで、消毒効果は弱いことを承知のうえで、医師と利用者がともに納得した条件のもと、広く使われるようになったのです。ですからテストでMPSの消毒効果が低いのは当然です」
テストはアカントアメーバの溶液でコンタクトレンズを汚し、各消毒液に一定時間浸して、アメーバの数を調べたもの。
過酸化水素やヨードタイプでは、8時間消毒するとアメーバが1000分の1以下になったが、“消毒効果不十分”の6品目はそれより効果が薄く、そのうち4品目は10分の1にしか減らなかった。
同時に2週間交換コンタクトレンズを使用中の18〜29歳の学生385人の衛生状態調査を行ったところ、40人がアカントアメーバ汚染の痕跡があり、230人から緑膿菌や大腸菌などの細菌が検出されたという。
「一見これは大変なことのように思えますが、どの消毒液でも、レンズを指先で洗うこすり洗いをして、レンズケースも洗浄するなど正しい使い方をすれば、除菌能力が増し感染は防げると認定されているのです」
では、具体的にどうすればいいのか?
「(1)レンズケアの前に、手をせっけんでよく洗う(2)レンズはこすり洗いを必ず行い、よく流す(3)決められた消毒時間を守る(4)レンズケース内の消毒液は毎日新しいものに交換する(5)レンズケースはしっかり洗い、自然乾燥させる(6)レンズケースは3カ月に1度新しいものに交換する(7)製品添付の説明書をよく読む(8)定期的に眼科専門医の検査を受けることです。なお、消毒液のつぎ足しは厳禁です。除菌能力が落ちることが報告されています」
洗浄・すすぎ・消毒・保存をひとつの商品で行えるソフトコンタクトレンズ用消毒液は、多くが消毒効果が不十分――。
昨年末、国民生活センターが日本コンタクトレンズ学会との共同研究で、こんな結果を発表した。コンタクト使用者の7割はソフトレンズともいわれるだけに衝撃的だ。
ソフトコンタクト用消毒液の8商品をテストしたところ、過酸化水素やヨードタイプの消毒液と同等の効果があったのは2商品だけ。他の6商品は角膜に炎症を起こし、失明の恐れのあるアカントアメーバを除菌する力が不十分だったというのだ。
その後、眼科医や眼科医のブログなどに「どの消毒液がいいのか」「今使っている消毒液を替えた方がいいのか」「問題なかった消毒液を教えて欲しい」といった問い合わせが殺到しているという。
そこで、日本コンタクトレンズ学会会員で「清澤眼科医院」院長の清澤源弘氏に対応策を聞いた。
「まず、このテスト結果の意味は、“強い消毒液に替えなさい”と言っているわけでなく、“正しい使い方をしてください”という意味だということを理解してください」
そもそもコンタクトレンズ用の消毒は手足の傷の消毒に使うオキシフルの成分である過酸化水素がベスト。しかし、人気のマルチパーパスソリューション(MPS=多目的消毒液)なら、“中和”しなくてもコンタクトレンズをそのまま装着できるなど使いやすい。
「そこで、消毒効果は弱いことを承知のうえで、医師と利用者がともに納得した条件のもと、広く使われるようになったのです。ですからテストでMPSの消毒効果が低いのは当然です」
テストはアカントアメーバの溶液でコンタクトレンズを汚し、各消毒液に一定時間浸して、アメーバの数を調べたもの。
過酸化水素やヨードタイプでは、8時間消毒するとアメーバが1000分の1以下になったが、“消毒効果不十分”の6品目はそれより効果が薄く、そのうち4品目は10分の1にしか減らなかった。
同時に2週間交換コンタクトレンズを使用中の18〜29歳の学生385人の衛生状態調査を行ったところ、40人がアカントアメーバ汚染の痕跡があり、230人から緑膿菌や大腸菌などの細菌が検出されたという。
「一見これは大変なことのように思えますが、どの消毒液でも、レンズを指先で洗うこすり洗いをして、レンズケースも洗浄するなど正しい使い方をすれば、除菌能力が増し感染は防げると認定されているのです」
では、具体的にどうすればいいのか?
「(1)レンズケアの前に、手をせっけんでよく洗う(2)レンズはこすり洗いを必ず行い、よく流す(3)決められた消毒時間を守る(4)レンズケース内の消毒液は毎日新しいものに交換する(5)レンズケースはしっかり洗い、自然乾燥させる(6)レンズケースは3カ月に1度新しいものに交換する(7)製品添付の説明書をよく読む(8)定期的に眼科専門医の検査を受けることです。なお、消毒液のつぎ足しは厳禁です。除菌能力が落ちることが報告されています」