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やっぱりね…養子縁組で子ども手当554人分申請
6月から支給される月額1万3000円の子ども手当をめぐり、兵庫県尼崎市に住む韓国人男性が、タイで養子縁組したと称する554人分(年額約8600万円)を申請しようとし、市が受け付けを拒否していたことが24日、尼崎市への取材で分かった。厚生労働省によると、数百人規模の一斉申請が確認されたのは初めて。子ども手当は民主党が昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)に盛り込んだ目玉だったが、子供の国内居住要件がなく、不正受給を懸念する声が出ていた。
尼崎市によると今月22日昼、50代とみられる男性が窓口を訪れ、妻の母国・タイにある修道院などの子供554人と養子縁組していると主張。子供の名前や生年月日を記載したタイ政府の証明書だとする書類を示し、申請しようとした。
男性は「タイに定期的に渡航し、現地で子供たちと寝起きしている」などと話し、外国人の申請に必要な子供への送金記録や、面会を証明するためのパスポートも持参。書類は全部で数十枚あり、訳文を付けていた。「手続きはインターネットで調べた」と話した。
子ども手当は3月26日に法案が可決され、支給が正式に決まった。支給要件は「親など養育者が日本国内に居住している」「子供を保護・監督し、生活費などを賄っている」の2点だけ。子供の国内居住要件はないため、国会審議段階から、外国人への支給をめぐって虚偽申請による不正受給の可能性があるなどと野党が指摘。このため厚生労働省は今月6日、「母国で50人の孤児と養子縁組した外国人には支給しない」などと、ホームページ上に記載し「市町村で支給の可否を見分けられなければ厚労省に相談を」と呼び掛けていた。
厚労省は支給する例を示した文書を自治体に配布しており今回、尼崎市はその場で同省に照会。「制度の趣旨に合わない。支給の対象外」と説明を受けたこともあり、受け付けなかった。
男性には実子が1人おり、養子も含めた555人分が認められれば、本年度だけで年間8658万円の手当が支給される。
市の担当者は「受理していないので、いずれの書類も本物かどうかは分からない」と話した。
男性は市の説明を受け、厚労省の担当部署と電話番号を聞いて帰ったという。
▽子ども手当 民主党が公約した子育て支援策。中学卒業までの子供が対象で、11年度から1人当たり月2万6000円、年額では31万2000円を支給する。10年度は半額の1人当たり月1万3000円。各世帯への支給は6月、10月、2月の年3回で、所得制限はない。外国人への支給要件としては、年2回以上の子供との面会をパスポートで確認することを義務付けるなど、現行の児童手当制度よりも厳格化した。
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