スポンサー疑惑:建設会社元代表が自殺図る(上)

 いわゆる「検事スポンサー疑惑」について暴露した、N建設の元代表J氏(51)が23日午後、弁護士の事務所で大量の薬を飲んで自殺を図った。「検事スポンサー疑惑」とは、J氏が25年にわたり、釜山市・慶尚南道の検察官たちに対し、性的な接待を含む、数々の接待を行ってきたとされる問題だ。

 J氏はこの日午後2時50分ごろ、検察による身柄拘束停止の取消申請に対し、裁判所の審査が行われるのを前に、釜山市蓮堤区巨堤洞の法務法人「釜山」の事務所内の会議室で待機していたが、この際、睡眠薬や精神安定剤とみられる薬を大量に飲んだ。

 目撃者らによると、J氏は当時、会議室内にいた10人余りの報道陣に対し、「このまま逮捕されたら、何もできなくなるかもしれない。家族と電話で話したい」と告げ、会議室から出るよう命じた後、薬を飲んだという。

 J氏は救急車で近くの病院へ運ばれ、胃洗浄を行ってから30分後に意識を取り戻した。病院側は「現在のところ、血圧・脈拍・呼吸はすべて正常だ」と説明した。J氏は、自分がメディアを通じ暴露した内容が全国民から注目を浴びたことから、食事がのどを通らず、睡眠も十分に取れなくなった、と主張している。このため、混乱状態に陥ったJ氏が、極端な選択をしようとしたのではないか、との見方が出ている。

 だが、J氏のこの日の行動が、本当に自殺を図ろうとしたものではなく、再逮捕しようとする検察に対し抗議の意思を示すため、または極端な行動によって同情を求めるためだったのではないか、との見方もある。

 一方、大検察庁(日本の最高検察庁に相当)は23日、J氏が暴露した「検事スポンサー疑惑」について、事実関係を確認するため設置した「真相究明委員会」(委員長:成楽寅〈ソン・ナクイン〉ソウル大教授)の委員9人を任命した。

 委員9人のうち、外部の委員は成委員長のほか、ソウル地方弁護士会の河昌佑(ハ・チャンウ)元会長、韓国女性政策研究院のキム・テヒョン院長、韓国芸術総合学校のパク・ジョンウォン総長、ヒューメックスの卞大圭(ビョン・デギュ)社長、ソウルYMCAの辛鍾元(シン・ジョンウォン)市民社会開発部長、中央日報情報事業団の申性浩(シン・ソンホ)代表の7人で、現職の検察官は、検察内部の調査団の団長を務める大田高検の蔡東旭(チェ・ドンウク)検事長と、最年長の女性検察官として知られる議政府地検高陽支部の趙嬉珍(チョ・ヒジン)次席検事の二人だ。

 成委員長は、「来週月曜日(今月26日)か火曜日ごろに初会合を開く方針だ」と語った。同委員会は調査をできるだけ早く進める意向だが、実際に調査が順調に進むかどうかは未知数だ。

 まず、J氏に対する調査を最優先にすべきだが、J氏は22日の検察の出頭要請に応じず、23日には再逮捕の可否を決めるための裁判所の審査を前に、大量の薬を飲んで自殺を図り、病院に運ばれた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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