【コラム】ファン・ジャンヨプ先生の言葉は正しかった(上)
ファン先生は「北朝鮮はもともとテロ国家だ」と語った。先天的にそうだという意味だ。金日成(キム・イルソン)・金正日父子の「子分」たちは、工作員に日本語教育を行うため、海辺でデートを楽しんでいた日本人を次々に拉致し、平壌に連れて行った。平壌にはこうして各国から拉致された外国人語学教師が数多くいる。これこそ北朝鮮によるネイティブスピーカー採用法だ。外国人だけがテロの対象ではない。中東で汗水流して働き、帰国する同胞の労働者を多数乗せた大韓航空機に爆弾を仕掛け、彼らの魂は空中をさまようことになった。さらに、ミャンマーのラングーン(現ヤンゴン)にある国立墓地、アウンサン廟(びょう)にダイナマイトを仕掛け、韓国の閣僚や随行員らを爆殺した。故人の遺体は目も当てられないほど悲惨な姿で発見された。韓国の大統領官邸に特別工作隊を送り込み、暗殺を試みたこともあった。だが犯行に気付かれ、追われた工作隊員はソウルの路線バスに乗り込み、手りゅう弾を抱いて自爆し、肉片が周囲に飛び散った。北朝鮮が虫のように軽視するのはテロ対象者の命だけではない。工作員が任務を終え、無事に帰国するかどうかもお構いなしだ。政策に失敗すれば、政策責任者を公開銃殺刑に処し、政策に抵抗すれば住民を集団銃殺した。
ファン先生が北朝鮮の国家としての性格、その先天的な限界を「テロ国家」と表現したのはこういう意味合いが込められている。化粧で生まれつきの顔を一時的に隠すことはできても、正体を変えることはできない。1970年代に西ドイツのブラント元首相は、東ドイツとソ連に対する自身の「東方外交」を「接近を通じた変化」と表現した。実際にブラント元首相と後任のシュミット元首相は、10年間の東方外交で西ドイツ内部の変化を上回る大きな変化を相手から引き出すことに成功した。こうした変化が可能だったのは、東ドイツが共産主義国家であっても、「統治権は革命の血筋によって相続されなければならない」といったとんでもない教理を信奉する邪教集団ではなかったからだ。こうした成果にもかかわらず、「接近を通じた変化」という政策は、東ドイツ政権による人権弾圧が明らかになるたびに、こびを売るものとして皮肉られた。北朝鮮の関与説が強まっている哨戒艦「天安」の沈没事故とファン先生に対する暗殺未遂事件も、金正日とその子分たちの本性が何も変わっていないことを如実に示している。これで北朝鮮に対する融和政策10年の「太陽」が再び差すことはなくなった。
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