金剛山:北朝鮮、韓国政府資産を没収(下)

 この日、北朝鮮は李明博(イ・ミョンバク)大統領について、「逆徒」という表現を再び使って名指しした。さらに「統一部長官の玄仁沢(ヒョン・インテク)は、われわれが(金剛山)凍結措置を追加した場合、強力に対処すると言いながら、愚かにも妄言を吐いた」とした。

 北朝鮮問題の専門家らは「北朝鮮は今後、韓国に対する圧迫を強めていくだろう」との見方を示した。慶南大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「次の手順として没収した民間不動産を引き渡し、中国などの新たな事業者と契約を結び、開城公団にも着手する可能性がある」と話した。すでに北朝鮮は、韓国が北朝鮮に向けて配布したビラについて取り上げ、開城公団の出入りを統制することもあり得ると示唆している。国策研究所の研究員は、「韓国政府が『天安』沈没事故を北朝鮮の仕業だと公式に結論付けた場合、開城公団についても安心できないだろう」という。また「すぐにでも金が必要な北朝鮮は、昨年8月から韓国に対して融和政策を取ってきたが、韓国政府がこれに応じなかったため、かなり失望している。圧力を加えている一方で、『観光を早く再開したい』という姿が垣間見られる」(梨花女子大学曺東昊〈チョ・ドンホ〉教授)という見方も出ている。

 韓国政府も、北朝鮮の脅迫に耐えられる「限界」に迫っていると判断し、具体的な行動に乗り出す雰囲気だ。まずは、北朝鮮に経済的損失を与えられる方法を検討しているという。北朝鮮の船舶が韓国の港に出入りして水産物を輸出するのを中断させる、あるいは韓国の砂採取船が、北朝鮮に金を払って砂を購入する取引などを遮断することもあり得る。昨年北朝鮮が、韓国に輸出した海産物だけでも、1億5000万ドル(約140億8000万円)を超える。

 さらに、政府当局者が、「(北朝鮮が)開城公団と関連した措置は検討していない」と話していることから、開城公団事業を除外した南北経済協力および民間交易を制限する方法も検討されているという。また、北朝鮮商船の済州海峡通過不許可や、国際舞台で対北非難の世論を喚起することなども、対応策のリストに上がっているとのことだ。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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