金剛山:北朝鮮、韓国政府資産を没収(上)

 北朝鮮は23日、金剛山の離散家族面会所など、韓国政府所有の不動産5件を「没収」すると発表した。また、現代峨山など民間会社所有の不動産もすべて「凍結」し、管理者などを追放するとしている。さらに「金剛山観光への道が永遠に途絶えたことは悲劇だ。(韓国が)われわれ(北朝鮮)の措置に立ち向かおうとする場合、より恐ろしい措置が加えられるだろう」と話した。

 これに対し、統一部の千海成(チョン・ヘソン)報道官は、「無責任かつ非理性的な仕打ちだ。強力な対応を取る」と話した。安全保障部署の当局者も、「北朝鮮当局にインパクト(影響)を与えられる具体的な措置を検討中だ」と語った。現代峨山は「非常に遺憾で残念」として、北朝鮮側に対話に応じるよう求めた。

 この日、北朝鮮の金剛山観光地区を管理する名勝地総合開発指導局は、報道官の談話で「傀儡(かいらい)韓国が艦船(哨戒艦「天安」)の沈没事故をわれわれ(北朝鮮)の犯行と無理やり結び付けようとして、『戦争の火種』を作り出している今の情勢は、金剛山観光を云々している場合ではなく、戦争が起きるかどうかという危機一髪の状況にある」として、金剛山観光を永久に中断すると脅迫した。北朝鮮が没収すると発表した韓国政府の不動産は1242億ウォン(約105億円)=建設費基準=規模で、凍結対象の民間不動産は、ホテル、ゴルフ場など2923億ウォン(約247億円)相当に達する。

 北朝鮮は、没収した韓国政府の不動産を「共和国が所有するか、新たな事業者に引き渡すことになる」と話している。また現代峨山を通じて「今月27日、民間不動産凍結のための具体的な措置に入る。関連不動産の所有者及び代理人は、当日立ち会うように」という通知文書を送った。現在、金剛山地区に駐在している韓国国民35人については、27日以降追放されるものとみられる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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