中国海軍の出現に緊張する日本
昨年初めに南シナ海で米軍偵察艦の航行阻止を試みた中国が、今年は沖縄南方の海上から太平洋に進出する訓練を実施し、日本との間で緊張を高めている。
23日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は、中国海軍のこうした動きについて、従来の沿岸防御概念から脱皮し、米国が支配する太平洋やインド洋など遠洋に海軍力を拡張させるための戦略だと報じた。また同紙は、「中国海軍の将官は、遠洋海軍戦略に公然と言及している。自国の商船保護を名目として、ペルシャ湾からマラッカ海峡、南シナ海や東シナ海などへも作戦範囲を広げている」と報じた。
中国は先月、軍艦2隻をペルシャ湾に送り、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ港に停泊させた。中国の軍艦が中東の港に停泊したのは、これが初めてだ。また2008年末には、ソマリア海賊掃討のため、アデン湾に軍艦3隻を派遣し、現在も活動を続けている。
航空母艦の建造、潜水艦の開発など、海軍の装備の現代化も急速に進んでいる。シンガポール国立大の黄静教授は、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙の取材に対し、「中国は最近、弾道ミサイル発射能力を有する晋級潜水艦2隻を建造し、さらに2隻以上を新たに建造している。商級原子力潜水艦2隻も、すでに就役した」と語った。また同紙は、中国は海南島に地下潜水艦基地を建設し、紛争地域である南シナ海へ20分以内に到達可能な作戦体系も整備している、と報じた。
中国は、このように増強した海軍力を基盤として、日本の南方沿岸を通過し西太平洋へ進出する訓練を実施、日本を緊張させている。
共同通信は23日、駆逐艦や護衛艦、潜水艦など10隻で構成された中国海軍の艦隊が今月上旬から、沖縄南方の海域を通過して西太平洋まで進出し、帰還する訓練を実施していると報じた。共同通信が報じたところによると、この過程で中国海軍は、艦隊を追跡・監視する海上自衛隊の護衛艦に対し、今月8日と21日の2度にわたって海軍のヘリを派遣し、90メートルの距離まで接近させたという。
北沢俊美防衛相は、「たとえ公海上で行われた訓練であっても、船の安全な航海を脅かす極めて危険な行為」と批判した。中国は、昨年3月には南シナ海の公海上で米国の音響測定艦「インペッカブル」の航行を妨害し、この海域に緊張をもたらした。
中国国防部の黄雪平報道官は、これについて「日本は、われわれが毎年行っている公海上の海軍の訓練について憶測を示すことで、訓練を妨害した。今回の訓練は国際法に合致したもので、他国に対する脅威とはならない」と主張した。
北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員
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