【国際】1時間以内どこでも攻撃 米、新兵器配備を検討2010年4月24日 夕刊 【ワシントン=嶋田昭浩】23日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、オバマ米大統領が核兵器に依存する現在の国防体制を転換するため、地球上のどこへでも米国から1時間以内に到達できる新世代の通常兵器を配備するかどうかを、数年内に決断する、と報じた。早ければ2014年の配備開始を想定して米国防総省が開発を進めている。 新兵器は「プロンプト・グローバル・ストライク(即時地球規模攻撃)」と呼ばれ、長距離ミサイルで高度約10万メートルまで打ち上げられた後、ミサイルから切り離された極超音速グライダーが人工衛星からの情報を受けながら標的へ向かい、攻撃する仕組み。北朝鮮核ミサイルの発射阻止やイラン核施設の破壊などに有効とされる。 ブッシュ前政権下で技術開発が進められていたが、ロシア側が「ミサイルが核弾頭を積んでいるのか通常兵器なのか区別がつかず、(かえって)核戦争の危険を増大させる」と反発したという。 今月8日にオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領が調印した新核軍縮条約のもとでは、こうした通常兵器を配備する場合にはそれと同数の核ミサイルを撤去する取り決めが結ばれている。
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