国民生活センターは21日、風呂に入れるとラドン、ラジウム温泉になるとうたった鉱石やセラミックボールなど10商品をテストした結果、すべてのラドン、ラジウム濃度が温泉法の基準を大幅に下回った、と発表した。神経痛やアトピー性皮膚炎などへの効能をうたう商品もあり、センターは景品表示法や薬事法に違反する疑いがあるとして、消費者庁などに監視・指導を要望した。
調査は、ネット通販されている10商品を選び、湯を張った浴槽で実施。全商品とも、ラドン濃度は水道水と同じレベルで、ラジウム濃度も温泉法の基準の100分の1未満だった。放射線量は微量で人体への影響はないという。
同センターには、入浴用のラドン、ラジウム関連商品の相談が04~09年度に計387件あり、うち約8割が訪問販売の商品に関するものだったという。30万円以上で購入した事例が約半数を占め、同センターは「広告に惑わされないように」と注意を呼びかけている。【遠藤和行】
毎日新聞 2010年4月22日 東京朝刊