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「ますぞえ新党」公選法接触の恐れでお蔵入り
「新党改革」を旗揚げし、手を組んで記念撮影する舛添前厚労相(左から3人目)ら
Photo By 共同 |
自民党に離党届を提出した舛添要一前厚生労働相(61)は23日午後、都内で記者会見し、自身が代表を務める「新党改革」の結成を正式発表した。同党は参院選比例代表で使用する党の略称を「ますぞえ新党」とする方針を固めたが、公選法に抵触する恐れのあることが分かり撤回。舛添氏の知名度を生かす狙いがあったとみられるが、出だしからつまずいた形で、急ごしらえの船出を印象づけた。
舛添氏は会見で「鳩山政権の迷走ぶりに国民は失望し、自民党の旧態依然とした体質も全く変わらない。日本の一大改革を行うために新党改革を結成した」と宣言。「参院選を天王山と位置付け、われわれが勝利することで必ず政界再編を行う」と力強く述べた。
同党のメンバーは舛添氏のほか、自民党に離党届を出した矢野哲朗(63)、小池正勝(58)両氏と、改革クラブの渡辺秀央(75)、荒井広幸(51)、山内俊夫(63)の3氏。舛添氏ら離党組が「改革クラブ」に合流した上で名称を「新党改革」に変更する形をとった。6人全員が参院議員。
舛添氏は01年の参院選比例代表で初当選。国会法は衆参両院の比例代表選出議員が選挙で戦った相手の政党への移動を禁じているが、舛添氏が2期目の当選を果たした07年に「改革クラブ」はなかったため入党は可能。
舛添氏の知名度や人気を背景に、夏の参院選で勢力拡大を図り、民主党を巻き込んだ政界再編につなげたい考え。舛添氏は「比例代表に20人、選挙区に10人の計30人を擁立し、全員当選を目指す」と強気。昨年末には衆院選で落選した若手らを対象にした勉強会「舛添政治カレッジ」を自民党内で立ち上げており、この中から「元議員や、新人が何人か参院選に出るだろう」と述べた。
「新党改革」は参院選比例代表で使用する党の略称を「ますぞえ新党」とする方針をいったん固め記者団にも伝えたが、公選法に抵触する恐れがあることが判明し撤回。公選法の規定は中央選挙管理会に届け出る政党の名称と略称について、代表者や比例名簿登載者の氏名が類推されるような表記は認めていない。総務省は「氏名そのものとも解釈できる。受理は難しいだろう」とした。舛添氏の知名度の高さを集票に生かす狙いがあったとみられるが、安易な対応との指摘も出そうだ。
党側は当初、公選法の規定を誤解していたもようで、略称は「改革」に落ち着く可能性が高い。同党幹部は「お年寄りにも分かりやすいと思い検討したが、駄目なら“改革”しかない」と残念そうに話した。
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