復帰戦ＴＫＯ負けの榎が引退表明

６回、榎の顔面にアルベルト・ガルサ（右）の右パンチがヒット

　◆プロボクシング　▽１０回戦　アルベルト・ガルサ（９回５８秒　ＴＫＯ）榎洋之（２３日・後楽園ホール）　元東洋太平洋、日本フェザー級王者の榎洋之（３０）＝角海老宝石＝が、ＷＢＣ世界フェザー級１１位のアルベルト・ガルサ（２４）＝メキシコ＝に９回５８秒ＴＫＯ負けを喫した。昨年１０月の東洋太平洋戦での敗退以来となる再起戦を飾れず、試合後に現役引退を表明した。戦績は２８勝（２０ＫＯ）４敗２分け。

　左右のスイッチを繰り返す格上のガルサをとらえられない。榎は得意の左ジャブを出せず、８回には右目を大きくカット。ふらつく場面が目立ち始め、レフェリーストップで試合の幕を閉じた。

　控室で「相手のジャブがうまかった」と敗因を語ると、唐突に「引退します。応援してくれた人に申し訳ない」と頭を下げた。フェザー級一筋１２年。日本、東洋太平洋のタイトルを３度ずつ防衛した。「俺よりわがままはいない。これからは仕事します」。そう話す目に涙はなかった。