親盧派の候補者のうち、当選する可能性が最も高いとされているのは韓元首相だ。また、忠清南道では李完九（イ・ワング）知事が再出馬しない場合、江原道では与党支持層の票が分散した場合、見事な接戦になるとみられる。京畿道では、民主党の金振杓（キム・ジンピョ）議員と国民参与党の柳時敏元長官の候補者一本化の有無がカギとなっているが、現在のところ、その可能性は高くないとみられる。一方、慶尚南道では、「リトル盧武鉉」と呼ばれた金斗官氏が、「嶺南（慶尚道）を制する」という盧前大統領の遺志を継ぐことになるかどうかが関心事となっている。

　基礎自治体の首長候補の中にも、親盧派とされる金孟坤（キム・メンゴン）前議員（慶尚南道金海市）、卜箕旺（ボク・ギワン）前議員（忠清南道牙山市）、大統領府の閔炯培（ミン・ヒョンべ）元秘書官（光州市光山区）、許成武（ホ・ソンム）元秘書官（慶尚南道昌原市）が民主党の公認を受けた。また、盧前政権下で大統領府の要職に就いていた人物では、ソウル市の区長候補としてキム・ヨンべ氏（城北区）、コ・ヨンジン、キム・ソンファン両氏（蘆原区）、イ・ウンヒ氏（麻浦区）、キム・ヨン氏（広津区）、ソ・ヤンホ氏（東大門区）、イ・チャンウ氏（銅雀区）が、京畿道の市長候補としてヨム・テヨン氏（水原市）、金晩洙（キム・マンス）氏（富川市）が政党の公認を目指している。

■盧前大統領の一周忌で追い風に期待

　親盧派の候補者たちは、民主党・国民参与党に所属する候補者と、無所属の候補者に分かれている。彼らを支援する正式な組織や団体も存在しない。候補者たちの戦略もそれぞれ異なる。最近刑事裁判の1審判決が出たばかりの韓元首相は、李明博（イ・ミョンバク）政権や検察と対立しているが、保守的な色彩が強い地域では、「親盧ブランド」を表に出さず、「李大統領を支える道知事になる（安煕正氏）」「冬季五輪の招致に向け、韓昇洙（ハン・スンス）前首相やキム・ジンソン江原道知事が果たしてきた役割を担っていく（李光宰氏）」などと主張している。

　親盧派が勝負を賭けているのは。選挙期間中の来月23日に行われる盧前大統領の一周忌だ。今月から来月にかけ、盧武鉉財団が全国で追悼行事を行う予定で、1年前と同じように、盧前大統領を追悼する人たちが、間接的に親盧派の候補者たちを応援するのではないか、と期待している。

鄭始幸（チョン・シヘン）記者