スポンサー疑惑:真相調査団が発足、業務開始

 大検察庁(日本の最高検察庁に相当)は22日、「検事スポンサー疑惑」の真相を解明する真相調査チームを検察内部に本格的に発足させ、活動を開始したことを明らかにした。「検事スポンサー疑惑」とは、N建設元代表のチョン某氏(51)が25年にわたり、検事たちに性的な接待を含む、数々の接待を行ってきたと主張し、表面化した問題だ。

 調査団の団長である蔡東旭(チェ・ドンウク)大田高等検察庁長はこの日朝、金畯圭(キム・ジュンギュ)検察総長に業務を開始すると報告し、ソウル市瑞草区瑞草洞にあるソウル高等検察庁内の事務所に入った。検察は蔡団長率いる調査団に、李盛潤(イ・ソンユン)ソウル西部地検刑事5部長ら現職の検事6人と、担当の捜査官数人を配置した。蔡団長はこの日、メンバーを事件現場の釜山に派遣し、関係者への聞き取り調査から行うことにした。

 調査団は聞き取りの結果を、成楽寅(ソン・ナクイン)ソウル大学教授を委員長とする真相究明委員会に報告する。検察以外から3分の2以上が参加する同委員会は、22日に成委員長を任命することからスタートし、今週中にはメンバーの人選を終える予定だという。

 調査団は、チョン氏が昨年8月に詐欺容疑などで釜山地検に逮捕・起訴され、また活動の根拠や、自らスポンサーになったと主張した検事の勤務地も釜山・慶尚南道だったことから、実際の調査の多くはこの地域で行われると見込んでいる。

 調査団は、チョン氏が公開した文書に名前が挙がっている現職の検事長二人をはじめとする、前職・現職検事57人を相手に、チョン氏が主張する内容が事実かどうかについて確認する。

 チョン氏は検事らに酒の席での接待を提供し、一部では性的な接待や現金の提供まで行ったと主張しているため、調査団はチョン氏が名前を挙げた、釜山周辺の飲食店従業員などからも事情を聞く方針だ。

 しかし検察の周辺では、チョン氏が主張する内容の中で、すでにかなり前のことについては、事実関係を明らかにするのは難しいという見方もある。

 参与連帯などの市民団体は、チョン氏が実名を挙げた前職・現職検事57人に対し、収賄などの容疑で検察に告発した。しかし、時効の問題がある上に、検事の職務権限との関連などについても明らかにしなければならないため、法的に見ると、捜査と処罰の対象は限定されそうだ。

 検察は「まずは真実を明らかにすることが先だ。法の適用や今後必要な制度改善問題などは、調査が終わってから検討すべき問題だろう」との立場だ。

李明振(イ・ミョンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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