「乱世」を迎えつつある日本政界(下)

 一方、与党・民主党も、鳩山由紀夫首相のリーダーシップや、鳩山首相と小沢一郎幹事長の政治資金をめぐるスキャンダル、無茶な政策などで支離滅裂な状況に陥っている。21日には、次世代を担うリーダーの一人とされる前原誠司国土交通相が、高速道路の通行料の問題をめぐり、小沢幹事長が示した指針を真っ向から拒否した。

大阪の自立に向けた動きが本格化

 今月19日、大阪でも注目に値する会合が開かれた。就任2年目で現在も80%前後の高い支持率を誇る、橋下徹・大阪府知事と、志を同じくする地方議員31人が集まり、「大阪維新の会」の設立集会が行われた。同会は事実上の政党で、大阪府と大阪市・堺市周辺の市を合併して特別区を設置する「大阪都構想」の推進を掲げている。橋下知事はさらに、京都や神戸、奈良などの関西地方の自治体とも連携し、「関西州」を創設することを目指している。これは、日本の47都道府県を10前後の「道州」に再編する「道州制」論議に対応したもので、中央集権的な体制から、地方が自立して完全な自治を目指すというものだ。同会は今年7月の参議院議員選挙には候補者を立てず、来年春の統一地方選挙で候補者を擁立する方針だ。橋下知事らのこうした構想が実現すれば、日本の政治・行政に大変革をもたらすきっかけとなる可能性がある。

「第3の勢力」が拡大

 今月17、18日の両日に朝日新聞が実施した世論調査では、「どの政党も支持しない」という有権者が46%に達した。さらに、「分からない」という回答や、無回答を合わせれば、支持する政党がない無党派層は50%に達した。これは自民党が初めて下野した1993年以来、17年ぶりのことだ。民主党と自民党の迷走が続く中、「第3の勢力」が拡大していることを意味する。日本メディアは、54年ぶりに政権交代が実現したにもかかわらず、与党の民主党が期待外れだったことに加え、「賞味期限切れ」状態の自民党が支持を取り戻すことに失敗したために、このような状況に陥っている、との見方を示している。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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