米レストランオーナーの「対北朝鮮外交」回顧本が話題
「わたしは北朝鮮とBBQ(バーベキュー)外交をした」
米国ニュージャージー州ハッケンサックのバーベキューレストランのオーナー、ロバート・イーガンさんが国連駐在の北朝鮮外交官と親交を深めた過程を回顧した本が話題となっている。タイトルは「敵との食事-わたしがハッケンサックのレストランで北朝鮮との和平を維持した物語」で、27日に出版される。イーガンさんは同書で、北朝鮮外交官と親交を深めた過程を「バーベキュー外交」「キッチン外交」と語っている。そのレストランの名前「カービーズ・バーベキュー」をもじったものだ。また、イーガンさんの父が韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦したことも、話題を集めている理由の一つだ。
イーガンさんは21日、ロイター通信とのインタビューで、北朝鮮外交官と親しい仲になった過程を説明した。北朝鮮外交官と会ったきっかけは、北朝鮮が1993年に北朝鮮の核拡散防止条約(NPT)から脱退を宣言し、その直後に国連本部近隣のホテルで集会を開いた際、そこに招待され、北朝鮮外交官と会ったことだった。
同書で目を引くのは、北朝鮮国連代表部のハン・ソンリョル次席大使(当時)との談話だ。ハン大使は、同店の常連客で、イーガンさんと釣りや狩りをし、アメリカンフットボールを観戦したという。イーガンさんは「ハン次席代表とはまるで親友のようだった。わたしが同大使に米国式の考え方を教えた」と話した。
特にイーガンさんが事業構想に関する会話も交わし、同店の平壌支店をオープンする計画を立て、同大使にバックアップを期待したことも述べられている。しかしこの計画は、北朝鮮外交官が国益を優先させたため、実現できなかったとのことだ。
イーガンさんは、北朝鮮外交官から得た情報を定期的に米国政府に報告し、さらには外交官たちの髪の毛も渡していた。北朝鮮の外交官もこのことを知っていたが、あまり気にしていない様子だったという。
北朝鮮の外交官らは93年のNPT脱退宣言当時、米国との接触を目的に、イーガンさんのようなレストランのオーナーを利用しようとしたとのことだ。アメリカ国防情報局のジョン・メクリアリ氏は「彼の役割については評価できるが、われわれが知り得ること以上の役割を果たしたかについては分からない」と語った。
鄭炳善(チョン・ビョンソン)記者
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