統制権:軍元老「移管を延期すべき」

 李明博(イ・ミョンバク)大統領と軍の元老との昼食会を兼ねた懇談会が22日に行われ、この席で「2012年に予定されている韓米戦時作戦統制権の移管を延期すべき」という声が、元老たちの間から相次いで上がった。大統領府(青瓦台)の朴先圭(パク・ソンギュ)報道官は、「出席者の多くが“今回の天安沈没事故こそ、統制権の移管について深く考え直すきっかけとなった。大統領は、この問題について改めて深く考え直してほしい”という意見を述べた」と明らかにした。これに対して李大統領は明言を避けたが、出席者らは「少なくとも否定的ではなかった」と話している。

 ある出席者は「大統領はわれわれの求めに対して、直ちに否定はしなかった」と述べ、別の出席者は「移管の延期に希望を持てるような様子だった」と語った。大統領府の金星煥(キム・ソンファン)外交安保首席もこの日、国会運営委員会に出席し、統制権移譲の移管についての見解を尋ねる議員からの質問に対し、「個人的には共感する」と述べた。この問題に対する現時点での政府の立場は、「計画通り(2012年に)行われるが、北朝鮮の軍事的な脅威を注視しながら、その進行状況を点検、評価し、その結果を反映させたい」というものだ。これまで李大統領は、「慎重に検討すべき問題だ」としか語ってこなかった。

 元老たちはこの日、天安事故に対する徹底した原因究明と、それに伴う断固とした措置を求めた。ある出席者は「北朝鮮の犯行という結論が出れば、今回こそ本当に断固とした対応をしてほしい」と述べ、また別の出席者は「1988年のソウル五輪直前に大韓航空機が爆破され、2002年のサッカー・ワールドカップ韓日大会のときは、第2延坪海戦が起こった。大きな行事があるたびに、このようなことが繰り返されている。今後も大規模な行事が予定されているため、緊張を緩めてはならない」と指摘した。さらに「徹底したチェックを行い、効果的なシステムを備え、そのシステムが政治論理でおかしくならないようにしてほしい」という指摘もあった。これに対して李大統領は、「皆さんは国を愛し、軍を愛する思いで、弱体化した安全保障意識を正し、国民統合を成し遂げるのに先頭に立ってほしい」と求めた。

 懇談会には朴世煥(パク・セファン)在郷軍人会長、キム・ジョンホ星友会長、白善燁(ペク・ソンヨプ)陸軍協会長、キム・ヨングァン元海軍参謀総長、蔡命新(チェ・ミョンシン)元駐ベトナム韓国軍司令官、呉滋福(オ・ジャボク)元国防長官、パク・ヒモ韓国戦争参戦戦友会長、李相薫(イ・サンフン)元国防長官、イ・ジョング元国防長官、ハ・チョルス元連合司令部副司令官、都日圭(ト・イルギュ)元陸軍参謀総長、金在昌(キム・ジェチャン)元連合司令部副司令官、朴春沢(パク・チュンテク)元空軍参謀総長、イ・スヨン元海軍参謀総長、イ・ガプジン元海兵隊司令官、李漢鎬(イ・ハンホ)元空軍参謀総長、ハン・チョルヨン元5679部隊長、任忠彬(イム・チュンビン)元陸軍参謀総長、チョ・ジェト元第2作戦司令官、キム・グンテ元第1軍司令官、イ・ソンチュル元連合司令部副司令官、丁玉根(チョン・オククン)元海軍参謀総長など22人が出席した。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

黄大振(ファン・デジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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