牛や豚の感染病である口蹄（こうてい）疫が韓国内陸部の忠清北道忠州市の養豚場で発生し、全国の畜産農家や防疫当局を震え上がらせている。今月8日、仁川・江華島で最初に発生した口蹄疫が島内で終息せず、19日には内陸部の京畿道金浦市にある農家で感染が確認され、その二日後にはさらに内陸に入ったところで発生した。

　口蹄疫が全国に拡散する兆しを見せていることを受け、防疫当局は現在の「警告」段階を、事実上の最高段階である「深刻」水準に引き上げ対応に乗り出している。

　農林水産食品部は22日、「忠清北道忠州市薪尼面竜院里の養豚場から21日に届け出があった口蹄疫と疑われる豚を精密検査した結果、口蹄疫の感染が確認された」と発表した。忠州はこれまでに口蹄疫が確認された江華島や金浦市とは140キロ以上も離れている。想定外の地域で、同型となるO型血清（ウイルスタイプ）の口蹄疫が発生したわけだ。

　政府は同日、鄭雲燦（チョン・ウンチャン）首相の主宰で口蹄疫関連緊急関係省庁会議を開いた。また、農林水産食品部は口蹄疫対策本部長を次官から長官に格上げし、各地方自治体にも首長を責任者とする対策本部を設置した。

■国土の中央部で豚口蹄疫が発生

　特に、忠州は韓国の中央部に位置しているため、防疫当局を困惑させている。防疫当局は同日、殺処分の範囲を忠州市にある発生農家の半径500メートルから3キロ以内の家畜約1万2000頭に拡大した。また、半径20キロを防疫地帯に指定し、車両と家畜の移動を制限する措置を取った。

　豚の場合、ウイルスの伝播力が非常に強く、殺処分の規模もかなり大きくなる。2002年に京畿道南部の農家15カ所で口蹄疫が発生した際は、殺処分された家畜が16万頭に達した。一方、牛の間で感染した2000年と今年1月の場合、殺処分された家畜数はそれぞれ2200頭、6000頭にとどまった。