東レ、韓国へ2兆ウォンの投資を決定

炭素繊維の技術移転など

 日本の大手合成繊維メーカー、東レの榊原定征社長は22日、記者会見を開き、「韓国の子会社『東レ・セハン』を通じ、2020年までに計2兆3200億ウォン(約2000億円)の投資を行う」と発表した。東レ・セハンは東レが100%の持ち分を所有する子会社で、この日をもって社名を「東レ先端素材株式会社」に変更した。

 榊原社長は「東レ先端素材には特に、炭素繊維分野の中核技術を移転する計画だ。炭素繊維「トレカ(TORAYCA)」の製造工場を慶尚北道亀尾市に建設する方針だ」と述べた。

 東レは現在、炭素繊維分野で世界1位の企業で、その製品は「ボーイング787」など最新鋭の飛行機や自動車、船舶などの部品に使われている。重さは鉄の25%であるにもかかわらず、その10倍以上の強度を誇り、次世代の素材として脚光を浴びている。このほか、東レは韓国で、2次電池の中心的な素材や、水処理事業などの新たな産業も展開していく方針だ。

 東レによる今回の投資は、李相得(イ・サンドゥク)韓日議員連盟会長や、慶尚北道の金寛容(キム・クァンヨン)知事、イ・ユンホ前知識経済部長官らが同社に対し、炭素繊維工場の建設を数度にわたり要請したことを受けたものだ。これについて榊原社長は、「韓国政府からの要請もあったが、韓国はアジアの中で、戦略的かつ重要な市場であることから、大々的な投資を行うことを決めた」と語った。

 東レは1926年、化学繊維レーヨンのメーカーとして発足し、現在世界での売上額は1兆5000億円、社員数は3万8000人に上る。

キム・ヒョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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