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たん吸引、特養で解禁 研修受ければ介護職員も可能に

2010年3月25日22時59分

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 厚生労働省は25日、原則として医師や看護師にしか認められていない医療行為のうち、たん吸引などについて、特別養護老人ホーム(特養)の介護職員に一定の条件下で認めることを決めた。近く局長通知を出し、5月にも研修を始める予定。

 医師らによる同省の検討会が同日、研修を受けるなど看護師と連携して実施すれば、違法にはあたらないとする報告書を大筋で取りまとめた。解禁されるのは、口の中のたんや唾液(だえき)などを機械で吸い出す「吸引」と、胃に通したチューブから流動食を入れる「経管栄養」。

 この二つは医療行為と解釈され、医師らにしか認められていない。ただ、比較的危険性が低く、1日に何度も実施する必要があることなどから、自宅で家族が行う場合は違法とされない。2005年には、研修を受けたヘルパーが在宅でたん吸引することが解禁されている。

 特養など施設の入居者の高齢化が進み、たん吸引などを必要とする人が増加。夜間に看護師を置けない特養から入所拒否されるケースも出て、介護職員が実施しても問題がないか検討されてきた。

 同検討会は昨年9〜12月、全国125の特養でモデル事業を実施。その結果、手順を忘れたり、間違ったチューブを装着しそうになったりした事例が計274件あった。嘔吐(おうと)を招いたケースもあったが、救急車を呼ぶほどの事案はなかったとして、検討会は「おおむね安全」と判断した。

 実施にあたっては、入所者の同意、研修のほか、医師の指示のもと看護職員との連携が必要。今回の解禁で、入所者の自己負担が増えることはない。グループホームなど他の施設について、厚労省は「今後の検討課題」としている。

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