江田島市は22日、江田島町の秋月港と呉市の呉港を結ぶ旅客船航路について、運航する大昭汽船(江田島市)が6月末での廃止を検討していると明らかにした。市議会全員協議会で報告し、田中達美市長は「航路を維持できるか早急に関係機関と協議したい」とした。
市は、同社の昨年度の赤字が約2600万円に上り、航路廃止の申し入れがあったと説明。昨年3月に始まった広島呉道路の土日祝日の自動料金収受システム(ETC)半額割引の影響などで利用者が減少。今年4月から減便を実施したが、経営の改善につながらなかったとした。
秋月―呉港間は平日12往復で、平均利用客は約360人。通勤通学や通院の利用が多い生活航路のため、田中市長は「7月以降も継続できる運航体系を模索したい」と説明した。
大昭汽船は5月中旬にも中国運輸局へ航路廃止の届け出をする方針。浜崎英専務は「6月からの広島呉道路の無料化実験や第2音戸大橋開通などを考えた場合、赤字額は膨らむばかりで苦渋の決断」としている。
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