広島高速3号に出入りする宇品ランプ(広島市南区)の出口付近が22日、朝の通勤ラッシュ時を中心に約4時間にわたり渋滞した。同2号全通と3号延伸に伴う工事で、自動料金収受システム(ETC)の専用レーンを閉鎖したためで、広島高速道路公社は、通行料金を払い戻す異例の対応を決めた。
公社によると、渋滞は午前7時10分から同11時21分にかけて発生した。広島呉道路や海田大橋方面から市中心部に向かう下り線の車が、最大約2キロの列をつくった。仁保ジャンクション(JCT)―宇品間約2・6キロの通常の所要時間は3分だが、約1時間半掛かったケースもあったという。
宇品ランプは前日の21日午前9時から、出口レーン2カ所のうちETC専用レーンを閉鎖。システムの切り替え工事をしていた。22日は未明から雨が強まっており、朝は通常より交通量が多かったとみられる。
渋滞に巻き込まれた車両台数は不明だが、平日の同じ時間帯は1200〜1300台が利用するという。公社は「電光掲示板での情報提供や他のランプへの誘導などの対応が遅れた」と説明。「迷惑を掛けた」として通行料金を払い戻す。
国の高速道を管理する西日本高速道路の広報室(大阪市)は「渋滞が理由で返金した事例は聞いたことがない」と話している。
払戻金額は、車種などにより120〜550円。ETC利用者は履歴が自動的に削除される。現金で支払った人は、電話で申し込めば払戻請求書と返信用封筒が郵送される。領収書が原則必要。
23日は仁保JCT―宇品間の下り線を午前7〜9時、進入禁止にする。公社交通管理課=電話082(508)6820。
【写真説明】ETCの切り替え工事のため、専用レーンを閉鎖している広島高速3号の宇品ランプ
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