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低温やけど訴訟 携帯電話原因と認定 メーカー逆転敗訴
ズボンのポケットに入れた携帯電話で脚に低温やけどをしたとして、宮城県亘理町の男性(54)が、携帯電話製造大手のパナソニックモバイルコミュニケーションズ(横浜市)に製造物責任法(PL法)に基づき約545万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は22日、請求を棄却した一審仙台地裁判決を取り消し、同社に慰謝料など約220万円の支払いを命じた。 男性はこたつで居眠り中にやけどをしたため、一審判決は原因をこたつの熱と認定したが、小磯武男裁判長は「携帯電話は低温やけどを引き起こす44度前後まで発熱する可能性がある。傷の形状と位置がポケット内の携帯電話と一致しており、原因と推認できる」と認定した。 さらに、「携帯電話をズボンに入れたまま、こたつで暖まることは十分に予想されるのに説明書で警告していない。表示内容は不十分で、製品としても安全性を欠いている」と判断した。 パナソニックモバイル側の「説明書で高温の熱源に近づけないよう警告していた」との主張については、「こたつ内の温度は37度前後で高温の熱源に当たらず、携帯電話をポケットに入れてこたつに入る通常行為を対象にしていない」とした。 判決によると、男性は2003年5月20日夜、自宅のこたつで飲食して酔い、そのまま居眠りした。その後、左太ももの付け根が腫れて痛み、低温やけどと診断された。 判決について、パナソニックモバイル広報室は「主張が認められず遺憾。判決内容を精査してから対応したい」とコメントした。
2010年04月23日金曜日
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