＜タイ＞バンコク都心部に砲弾　１人死亡、７５人以上負傷

　【バンコク西尾英之】バンコク都心部のビジネス街シーロム通りに２２日夜、Ｍ７９と呼ばれる砲弾数発が相次いで撃ち込まれ、ロイター通信が地元病院の話として伝えたところによると１人が死亡、外国人２人を含む７５人以上が負傷した。

　一部地元紙（電子版）は、砲弾が道路を隔てたタクシン元首相派組織「反独裁民主戦線」（ＵＤＤ）の占拠地域から発射されたと報じたが、ＵＤＤは「政府、軍がＵＤＤの強制排除のきっかけを作るために仕掛けた攻撃」と主張している。

　現場はＵＤＤの占拠地域の南端に当たる。爆発当時、交差点を挟んでＵＤＤに反対する一般市民数百人とＵＤＤがにらみ合っていた。また、付近の高架鉄道の駅構内には、ＵＤＤがシーロム通りに突入するのを防ぐため配置された兵士多数が待機中だった。

　砲弾は高架鉄道の駅付近や、交差点にある高級ホテル前の公衆電話ボックス付近に相次いで着弾。外国人の１人は白人でもう１人の人種は不明だが、日本大使館によると、日本人が負傷したとの情報は入っていないという。

　事件後、シーロム通りは封鎖され一般市民は現場から排除されたものの、付近を旋回する軍のヘリコプターに向けＵＤＤがロケット花火を発射するなど、騒然とした状況が続いている。

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