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オーストラリア編(2) 「32年ぶりのW杯出場」 |
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日本人Aリーガー今矢直城選手にインタビュー:
この模様は6月11日、18日のサンデープロジェクトで放送されます。 |
前回はオーストラリア初のプロサッカーリーグ、「Aリーグ」についてお伝えしました。
今回はオーストラリアサッカー協会が成し遂げた「革命」の第2弾をお伝えします。
2005年11月16日、W杯最終予選大陸間プレーオフ第2戦。
アウェイで0対1で敗れていたオーストラリアは、
ホーム、シドニーでウルグアイを1対0で下し、PK戦の末、32年ぶりのW杯出場を決めました。 |
W杯出場を伝える新聞:
PK戦で2本を防いだGKシュワルツァー |
「Aリーグ」を発足させた2005年に、32年ぶりのW杯出場を果たしたのは、決して偶然な出来事ではなく、そこにはオーストラリアサッカー協会の確固とした狙いがありました。
サッカー不毛の地オーストラリアに、本当の意味でサッカーを根付かせるには、
「プロリーグ」と、「代表チームの強化」が車輪の両輪のごとく、必要だったのです。
日本でもそうですが、国民の支持を得るためには、代表の強化が必要不可欠なことを彼らは知っていました。
そして何より、前回のW杯予選プレーオフでウルグアイに破れているオーストラリアにとって、今回も同じウルグアイに破れることは、あってはならないことでした。
悲願のW杯出場のために、オーストラリアサッカー協会はここでも行動に出ました。
まず、2005年6月に開催されたコンフェデレーションカップで結果を残せなかった、ファリーナ監督を更迭し、世界有数の名将、ヒディンク監督を招聘します。
W杯2大会連続でベスト4進出を果たしたヒディンク監督を招聘するには、それなりの資金と熱意が必要とされましたが、彼らは根気強く交渉を続け、ヒディング招聘を実現させました。
98年フランスW杯でオランダをベスト4、02年日韓W杯で韓国をベスト4に導いた名将のもと、「代表の強化」に邁進し、ついに念願の32年ぶりのW杯出場を果たしたのです。
そして、オーストラリア代表を後押ししたのはサッカー協会とサポーターだけではありませんでした。
オーストラリアのナショナルエアラインである、カンタス航空はウルグアイからシドニーに移動する35人の代表選手団のために220人乗りのジャンボ機を用意しました。
そして、そのジャンボ機には選手の疲労を取り除くための、ありとあらゆるものが揃えられていました。
一方、対戦相手のウルグアイはチャーター機を手配できず、2度のトランジットを余儀なくされました。
プレーオフ第2戦が開催されるシドニーへの移動において、オーストラリアとウルグアイとでは選手の疲労具合は大きく異なっており、カンタス航空はオーストラリアの32年ぶりのW杯出場に大きな貢献を果たしました。
このときのバックアップ体制について、サッカー協会のキャロル運営部長は我々のインタビューにこのように答えてくれました。
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Q. |
ウルグアイとのプレーオフ。大分入念な準備をしていたようですが? |
A. |
32年ぶりに必ずW杯に出ようとしていたので、チームが勝つための確立を少しでもあげられるように、チャーター機を用意するなどやれることは全部やって、100パーセントの準備をしました。 |
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Q. |
ウルグアイからのチャーター機手配で、カンタス航空にどのような要望をだしたんですか? |
A. |
ウルグアイからオーストラリアまで20時間の長いフライトなのでチームが帰国の準備が出来次第すぐに飛び立てるように、というのが最重要でした。
また、負傷者の負担を減らすために低い高度で飛んでもらうこと、
マッサージ台の設置、特別な食事メニュー、酸素ボンベの供給、
時差に早く適応できるような工夫などです。 |
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そして、この「W杯出場」はオーストラリアの国民に強烈なインパクトを与えました。
オーストラリアの有力紙の記者は我々のインタビューにこのように答えてくれました。
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Q. |
W杯出場によって国民のサッカーに対する意識が変わりましたか? |
A. |
今ではまったく違うスポーツです。
今までは、プロのレベルにも問題があり、国としてナショナルチームにも問題がありワールドカップ進出もできないといった状態でした。
それが、一夜にして変貌を遂げました。
まさにおとぎ話です。
サッカーはこの国をひとつにまとめることのできる実に数少ないスポーツのひとつだということに皆が気が付いたのです。
この国は、ヨーロッパやアジアなど様々な国の人間が集まってできている多国籍国家で、いろいろな人種がひとつになったことは今までありませんでした。
サッカー界が「スポーツ」を今まで達したことのない地点まで牽引したのです。 |
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「Aリーグの発足」と「32年ぶりのW杯出場」。
2つの「革命」により、オーストラリアサッカーは大きく変貌を遂げようとしています。
そして、さらに、もう一つ「革命」と呼ぶにふさわしい出来事が起こりました。
その第3の「革命」こそ、オーストラリアの国家プロジェクトの根幹を成すものでした。
次回はその第3の「革命」についてお伝えします。 |
シドニー中心部で日本対オーストラリア戦について結果予想をしてもらいました |
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今回のロケの模様は
6月11日、6月18日の「サンデープロジェクト」
で放送されます。 是非、ご覧になって下さい。
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