上海万博のPRソングがシンガー・ソングライター岡本真夜のヒット曲「そのままの君でいて」に酷似しているという盗作疑惑について、中国の大手ニュースサイト「新浪網」は22日、PRソングの作曲者、繆森(ぼく・しん)氏側が疑惑を否定したとする声明を掲載した。
万博事務局は19日に、岡本側に楽曲使用を申請。事実上、盗作であることを認めたはずだった。
同サイトに掲載された声明は「下心のある者が、(自分の作品と)似ている(岡本さんの)曲を用いて、大衆の評判を誤った方向に導いた」と“盗作”と決めつけたい第三者によって、意図的に盗作疑惑をふっかけられたと主張。岡本側と協議し「盗作かどうかの議論を排除することで合意した」とも。岡本側が盗作に言及しないのを“逆手”にとったような主張を展開している。
声明が事実なら、万博ソングをめぐる著作権の問題が発生せず、盗作かどうかあいまいなまま決着する可能性もある。
声明によると、繆氏側は19日、代理人を通じて東京・恵比寿で岡本の所属事務所の関係者らと会談。岡本側は「二つの曲は異なる曲であることを認識した」としている。
疑惑発覚後、公式見解を示さなかった理由は「国家の利益と大局に立ったためだ」とした。今回声明を発表したのは「反応を示さなかったことで不実の報道がはびこったため」と説明した。
今月14日には上海万博側からの依頼で中国人のプロデューサーが岡本側にカバーの許諾権利譲渡を要求したことが分かっている。