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矢野聖人 8523人から「身毒丸」主役の栄冠

 オーディションでグランプリに輝いた矢野聖人=都内(撮影・三好信也)
 オーディションでグランプリに輝いた矢野聖人=都内(撮影・三好信也)

 俳優・藤原竜也(27)、武田真治(37)を輩出した舞台「身毒丸」の主役オーディションで8523人の応募者からグランプリを獲得した新人・矢野聖人(18)のお披露目会見が22日、都内で行われた。これまでまったく演技経験のない矢野だが、演出家の蜷川幸雄氏(74)に「叙情的なゆらめきがある」と“第2の藤原竜也”にぞっこん。名演出家から才能を認められた原石は「成長して目標とされるような俳優になりたい」と力強く第一歩を踏み出した。

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 芸能界にまた新たなスター候補生が誕生した。鬼の演出で知られる蜷川氏がド新人の矢野の素質にほれ込み、新たな「身毒丸」が誕生した。

 ホリプロ創業50周年事業の一環として行われたオーディションには8523人が応募した。もともと芸能界に興味があり、読者モデルとして活動していた矢野は、掲載されていた雑誌を偶然見たホリプロスタッフに声を掛けられ参加を決意した。

 書類審査を通過し、予選の600人に残ったが、演技経験ゼロで「さすがに(合格することは)ないな」と半ばあきらめていた。しかし、ダメ出しされた部分をすぐに修正する適応力の高さを発揮。最後は蜷川氏に「今の若者には珍しく、身毒丸を演じるのにぴったりな叙情的なゆらめきがある」と絶賛された。

 合格の瞬間は頭が真っ白になり涙があふれた。「毎年『火垂るの墓』を見るとき以外は泣くキャラじゃないので、自分で驚きました」と振り返った。3月に都内の高校を卒業し、今月18日まで飲食店でアルバイトをしていた原石。好きな俳優は阿部寛(45)だが、あえて目標にはせず「将来は目標とされるような俳優になりたい」と目を輝かせた。

 「身毒丸」は1978年に初演され、95年に武田真治、97年に藤原竜也を主演に上演され大きな話題となった。藤原からは「ホリプロの人は優しいから大丈夫」と声を掛けられたという。舞台では全裸シーンもあるが「1秒だけ考えたけど、大丈夫です。蜷川さんの演出にも食らいついていきます」と目を輝かせていた。






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